「Visual Studio Code」の「October 2021」リリース(バージョン1.62)が公開ブラケットペアガイドなどを改良

Microsoftはクロスプラットフォームエディタ「Visual Studio Code」の最新版「October 2021」リリース(バージョン1.62)を公開した。ワークベンチやエディタ、ターミナル、言語、ノートブックなどの機能を強化した。

» 2021年11月11日 16時30分 公開
[ITmedia]

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 Microsoftは2021年11月4日(米国時間)、WindowsやLinux、macOSに対応するクロスプラットフォームのエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)の最新版「October 2021」リリース(バージョン1.62)を公開した。

 VS Codeチームは、VS Codeバージョン1.62の準備と並行して、インストールが不要で、Webブラウザから利用できる「Visual Studio Code for the Web」(以下、VS Code for the Web)の開発も進め、2021年10月にプレビュー版を公開済みだ。このプレビュー版もVS Codeバージョン1.62に対応してアップデートされている。

 VS Codeバージョン1.62では、2021年10月に発表された計画通り、GitHubのイシューとプルリクエストへの対応に重点が置かれている。VS Codeのリポジトリ全体で4163件のイシューがクローズされた(イシューの優先順位調整または解決の結果として)。その一方で2222件の新しいイシューが作成された。VS Codeのメインリポジトリではオープン機能リクエストが2941件、オープンバグが1246件となっている。また、194件のプルリクエストがクローズされた。

 VS Codeバージョン1.62ではこの他、ワークベンチやエディタ、ターミナル、言語、ノートブックなどの機能が追加、改善されている。

ワークベンチではパラメーターをハイライト表示

 今回、設定エディタのアクセシビリティー機能にさまざまな改善が加えられた。検索アイコンもアップデートされ、単語全体の一致を示すアイコンが区別しやすくなった。

 さらに、パラメーターヒントで現在のパラメーターがハイライト表示されるようになった。

単語がハイライト表示されたパラメーターヒントの例(出典:Microsoft

改良されたブラケットペアガイド

 エディタには複数の改良を施した。まず、水平ガイドがブラケットペアの範囲を示すようになり、垂直ガイドがブラケットペアに囲まれたコードのインデントに依存するようになった。

テキストインデントとともに移動するブラケットペアの水平ガイド(出典:Microsoft、クリックで再生)

 ブラケットペアガイドは有効/無効を切り替えられる他(既定では無効)、アクティブなブラケットペアについてのみ、ブラケットペアガイドを表示することが新たに可能になった。

 水平ガイドについては、表示するかどうか、いつ表示するかを設定できる(既定では、「アクティブなブラケットペアについてのみ表示」)。

カスタマイズ可能なブラケットペア

 「editor.language.bracketPairs」設定を使って、特定のプログラミング言語に合わせて、どのブラケット記号を一致させるかを設定できるようになった。これを設定した場合、ブラケットペアの色分けか、またはブラケットペアガイドが有効化されていれば、「editor.language.colorizedBracketPairs」設定が、どのブラケットペアが色分けされるかを構成する。

"[javascript]": {
    "editor.language.brackets": [
        ["[", "]"],
        ["(", ")"]
    ],
    "editor.language.colorizedBracketPairs": [
        ["[", "]"]
    ]
},

IntelliSenseポップアップを現在の行の上か下に表示

 IntelliSenseポップアップを現在の行の上(既定)または下に表示できるようになった。「editor.hover.above」を「false」に設定すると、現在の行の下に表示される。

現在の行の下に表示されるIntelliSenseポップアップ(出典:Microsoft

Unicodeの方向制御文字に対応

 「CVE-2021-42574」の脆弱(ぜいじゃく)性に対処するため、VS CodeはUnicode方向制御文字を既定でレンダリングするようになった。Microsoftはこの機能の必要性を説明するために、次のテキストスニペットを例として挙げている。

//              from, to, ammount
transferBalance(5678,1234,6776,"USD");

 このテキストスニペットには、2つの明示的な方向制御文字が含まれる。それはU+202E (RIGHT-TO-LEFT OVERRIDE)とU+202C (POP DIRECTIONAL FORMATTING)だ。これらの文字はUnicodeの双方向アルゴリズムに影響を与え、コンパイラが実行するものとは異なるものとしてレンダリングされるソースコードの作成に使用できるため、これを悪用した攻撃を防ぐ必要があった。

Unicodeの方向制御文字がレンダリングされている(出典:Microsoft

 こうした方向制御文字の特殊なレンダリングは、「editor.renderControlCharacters」を「false」に設定することで無効にできる。既定では「true」となっている。

検証済みの拡張機能パブリッシャー

 拡張機能にも改良点がある。VS Codeは拡張機能パブリッシャーのドメインがVisual Studio Marketplaceで検証済みかどうかを表示するようになった。

検証済みの拡張機能パブリッシャーを示すインジケーターが、拡張機能ビューと詳細ペインに表示されている(出典:Microsoft

HTML属性の指定方法の設定

 言語関連の改良点はHTML関連のものだ。新しい「html.completion.attributeDefaultValue」設定により、HTML属性を指定するときに、属性値を二重引用符で囲む(既定)か、一重引用符で囲むか、空にするかを選択できるようになった。

HTML属性を指定している様子(出典:Microsoft、クリックで再生)

TypeScript 4.5対応

 プレビューに相当する機能追加もある。間もなくリリースされる「TypeScript 4.5」のサポートが追加された。

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