Amazon Web Services(AWS)が、19インチラックに収まる1U/2Uサイズのラックマウント型「AWS Outposts」を発表した。これまでは24インチ/42U のラックとして納められ、利用しづらかった。
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Amazon Web Services(AWS)は2021年11月30日(米国時間)、年次カンファレンス 「AWS re:Invent」で、19インチラックに収まる1U/2Uサイズの「AWS Outposts」を発表した。これまでは24インチ/42U のラックを使う必要があり、工場のフロアをはじめとしたエッジでの利用はおろか、日本企業の使う一般的なデータセンターでも扱いにくかった。
AWS Outpostsは、企業のデータセンターなど、AWSデータセンター外で動かせるサーバ(群)。構造的には最も近いAWSリージョンにぶら下がり、サブネットとして機能する。AWSマネジメントコンソールで管理でき、AWSの仮想マシン(Amazon EC2インスタンス)などを動かすことができる。AWSマネジメントコンソールから注文ができ、構成やハードウェアのサポートはAWSが行う。なお、インターネットあるいはAWS Direct Connectで、最も近いAWSリージョンと接続する必要がある。
今回発表したのは1Uサイズが1モデルと2Uサイズが2モデル。基本スペックは上の表の通りで、CPUは1UモデルではArmベースのGraviton2、2UモデルはIntelのIce Lakeを搭載する。vCPU数は64あるいは128、メインメモリは128あるいは256GB、ストレージは3.8あるいは7.6TB。この仕様に収まる限り、さまざまなタイプのAmazon EC2インスタンスを動かせる。さらにまもなくKubernetes環境のAmazon EKSをローカルで動かせるようになるという。
AWS Outpostsは、AWSクラウドの一部として管理でき、AWSのネイティブなサービスを直接使えるのが特徴となっている。現在のAWS Outpostsでは、「AWSクラウドのサービスの全ラインアップが利用できる」(チーフエバンジェリストのジェフ・バー氏)としている。
バー氏は、これまでのAWS Outpostsを「AWS Outpostsラック」、新たなラックマウント型のAWS Outpostsを「AWS Outpostsサーバ」 と呼んで区別している。OutpostsサーバはOutpostsラックと異なり、19インチラックへの設置やネットワーク接続はユーザーが行う。AWSはこれを受けてリモートで構成を実施する。
Outpostsサーバは、Outpostsラックが提供されているほとんどの国・地域で注文可能。
なお、VMwareは2021年10月に、同社年次イベントVMworld 2021で「VMware Cloud on AWS」をユーザー拠点に持ち込めるサービス、「VMware Cloud on AWS Outposts」を発表した。
VMware Cloud on AWS OutpostsはAWS Outpostsのハードウェアを使う。こちらもラックマウント型の登場で、ラック型では難しかった日本での浸透が考えられるようになってきた。
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