「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、フェイルオーバークラスタインスタンスで有効なクラスタディスクの情報の出力について解説します。
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本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_io_cluster_valid_path_names」における、フェイルオーバークラスタインスタンスで有効なクラスタディスクの情報の出力について解説します。対応バージョンは、SQL Server(サポートされている全てのバージョン)です。
SQL Serverでは、フェイルオーバークラスタインスタンスを作成してインスタンスの可用性を高めることができます。フェイルオーバークラスタインスタンスでは、Windows Serverフェイルオーバークラスタリング機能を利用してインスタンスレベルでの冗長化を構成します。
フェイルオーバークラスタインスタンスでは、データファイルやトランザクションログファイルはクラスタディスク上に保存するように構成する必要があります。「sys.dm_io_cluster_valid_path_names」動的管理ビューを使用することで、フェイルオーバークラスタインスタンスのファイル保存に使用可能なクラスタディスクの一覧を出力できます。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
path_name | nvarchar(512) | データベースおよびログファイルのルートディレクトリとして使用できるボリュームマウントポイントまたはドライブパス |
cluster_owner_node | nvarchar(64) | ドライブの現在の所有者 クラスタ共有ボリューム(CSV)の場合、所有者はメタデータサーバをホストしているノード |
is_cluster_shared_volume | bit | このパスを含むドライブがクラスタ化ボリュームの場合は「1」、それ以外の場合は「0」 |
2つのクラスタディスクを持っているフェイルオーバークラスタインスタンスを作成しました(図1)。
インスタンスに接続して「sys.dm_io_cluster_valid_path_names」動的管理ビューを出力すると、2つのクラスタディスクの情報が出力されました(図2)。
出力内容から、ドライブ文字やクラスタ共有ボリュームかどうかなどの情報を確認することができました。
※本Tipsは、「Windows Server 2019」上に「SQL Server 2019」をインストールした環境を想定して解説しています。
BIPROGY株式会社(ビプロジー)所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
BIPROGY株式会社(ビプロジー)所属。入社以来SQL Server一筋で評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。社内のプログラミングコンテストで4回の優勝経験も持つ。趣味は輪行で週末は自転車を持っての旅行。目標は色々な日本百選を制覇すること。
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