「AIの“社会で果たす役割”が大きくなっている」とIBMが訴える、これだけの根拠「サステナビリティー」への取り組みとしても導入が進む

日本IBMは、「世界のAI導入状況 2022年(Global AI Adoption Index 2022)」の日本語版を発表した。それによると、AIが利用しやすく、実装しやすくなってきており、世界のAI導入率は着実に高まっているという。

» 2022年07月13日 08時00分 公開
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 日本IBMは2022年7月12日、「世界のAI導入状況 2022年(Global AI Adoption Index 2022)」の日本語版を発表した。

画像 「世界のAI導入状況 2022年」(提供:日本IBM

 これは、企業のAI(人工知能)導入について調査した結果をまとめたもの。調査対象は世界19カ国(米国、英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、中国、インド、シンガポール、オーストラリア、カナダ、アラブ首長国連邦、韓国、ブラジル、メキシコ、コロンビア、アルゼンチン、チリ、ペルー)の経営層で、計7502人から有効回答を得た。

「AI導入は確実に進んでいる」

 調査結果によると2022年の「企業のAI導入率」は、対前年比13ポイント増の35%だった。「AIの導入を検討している」と回答した企業の割合は42%となっており、企業規模別では、大企業の方が中堅企業よりもAI導入率が高かった。国別に見ると、中国とインドのAI導入率が高く、これらの国では60%近くの企業がAIを積極的に利用している。それに対して韓国は22%、オーストラリアは24%、米国は25%、英国は26%にとどまった。業種別で見ると、金融サービスやメディア、エネルギー、自動車、石油、航空宇宙でAIを積極的に導入している企業が多く、小売や旅行、政府/連邦サービス、医療ではAI導入率が低かった。

 AIの導入目的について聞くと4社に1社が「スキル不足」「労働力不足」の課題を解決するためにAIを導入しており、「AIや自動化ツールによって社員が時間を節約している」と回答した割合は30%に上った。また、AIを利用している企業ほどその信頼性や重要性に価値を置く傾向が強かった。「自社のビジネスは、AIの説明可能性(Explainability)に価値を置いている」と回答した割合は、AIの導入を検討している企業よりも17ポイント高かった。一方で過半数の企業は「AIの信頼性と責任を保証するための措置を講じていない」と回答した。

 最近注目を浴びている「サステナビリティー」への取り組みとしてAIを導入(もしくは導入予定)とした企業が3分の2を超えていた。IBMのTom Rosamilia氏(シニアバイスプレジデント)は次のように述べている。

 「今回、調査対象となった企業の3分の1以上がAIを利用していた。その理由はさまざまだが、主な理由としてスキル不足や労働力不足への対処、競合、環境など外的プレッシャーに対応するためなどがある。また、ほとんどの企業がサステナビリティーへの取り組みとしてAIを利用しようとしており、これらの傾向は、AIが社会でも果たす役割が大きくなっていることを示唆している」

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