アクセンチュアは、企業のAI導入と活用に関する調査レポート「『AI活用浸透』の極意:実践から成果へ」を発表した。それによるとAIを導入する企業の大多数が概念実証段階にとどまり、競争優位性につなげられている企業はわずか12%だという。
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アクセンチュアは2022年6月23日、企業のAI(人工知能)導入と活用に関する調査レポート「『AI活用浸透』の極意:実践から成果へ」を発表した。それによるとAIを導入する企業の大多数が概念実証段階にとどまり、競争優位性につなげられている企業はわずか12%だという。
調査は16業界(航空宇宙・防衛、自動車、消費財・サービス、化学、エネルギー、金融サービス、ヘルスケア、産業機器、ライフサイエンス、天然資源、公共サービス、小売、テクノロジー、通信・メディア・エンターテインメント、旅行・交通、公益事業)と、15カ国(日本、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イスラエル、イタリア、シンガポール、南アフリカ、スペイン、英国、米国)で、AIを活用する企業を対象に実施し、1615人の経営者から有効回答を得た。また、1176社の財務・非財務データを参照した。
アクセンチュアは独自の指標「AI活用浸透度」を定義し、その数値によって企業の市場での競争優位性を調べた。同社の定義では「AIに関する基礎的な能力」(以下、基礎的AI能力)と「他社との差別化を図れる能力」(以下、差別化AI能力)の2軸で構成されており、それぞれ0から100までの数値で表現できるという。
調査レポートによるとAI活用浸透度の中央値は36だった。最もAI活用浸透度が高かったのは差別化AI能力と基礎的AI能力のどちらも高い企業(AI活用先進企業)で64だった。次いで差別化AI能力が高く、基礎的AI能力が低い企業(AI戦略先行企業)で50、差別化AI能力が低く、基礎的AI能力が高い企業(AI運用先行企業)は44、最も低いのは差別化AI能力と基礎的AI能力のどちらも低い企業(AI実証企業)で29だった。
アクセンチュアは次のように分析している。
「AI活用先進企業はAIを武器に競合他社を圧倒しており、収益成長率は平均よりも50%高い値になっている。一方で全体の63%がAI実証企業となっており、AIが持つ潜在力の表層部分しか享受できていない。AI戦略先行企業とAI運用先行企業は、AI実証企業に比べて取り組みは進んでいるものの、まだ改善の余地がある」
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