「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、インメモリOLTPの内部システムのメモリ使用量に関する情報を出力する方法について解説します。
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本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_db_xtp_memory_consumers」における、インメモリOLTPの内部システムのメモリ使用量に関する情報を出力する方法について解説します。対応バージョンは、SQL Server(サポートされている全てのバージョン)、「Azure SQL Database」「Azure SQL Managed Instance」です。
SQL ServerではインメモリOLTPを使用することで、トランザクション処理やデータ取得、データロード、一時データ・シナリオのパフォーマンスを最適化できます。インメモリOLTPにおけるデータアクセスやトランザクションの実行は、従来のディスクベースのオブジェクトとは異なるアルゴリズムで処理されます。
「sys.dm_db_xtp_memory_consumers」では、インメモリOLTPの内部システムのメモリ使用量に関する情報を出力します。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
memory_consumer_id | bigint | メモリコンシューマーのID |
memory_consumer_type | int | メモリコンシューマーの種類。次のいずれかになる。 「2」=VARHEAP(可変長ヒープのメモリ消費量を追跡する) 「3」=HASH(インデックスのメモリ使用量を追跡する) 「5」=DBページプール(ランタイム操作に使用されるデータベースページプールのメモリ消費量を追跡する。例えば、テーブル変数やシリアル化可能なスキャンなど。この種類のメモリコンシューマーはデータベースごとに1つだけ) |
memory_consumer_type_desc | nvarchar(64) | メモリコンシューマーの種類の説明。次のいずれかになる。 「2」=VARHEAP 「3」=HASH 「5」=PGPOOL |
memory_consumer_desc | nvarchar(64) | メモリコンシューマーインスタンスの説明 |
object_id | bigint | 対象のオブジェクトID |
xtp_object_id | bigint | 対象のメモリ最適化テーブルのオブジェクトID |
index_id | int | コンシューマーのインデックスID |
allocated_bytes | bigint | 予約されたバイト数 |
used_bytes | bigint | 使用されているバイト数 |
allocation_count | int | 割り当てられた数 |
partition_count | int | 内部使用のみ |
sizeclass_count | int | 内部使用のみ |
min_sizeclass | int | 内部使用のみ |
max_sizeclass | int | 内部使用のみ |
memory_consumer_address | varbinary | コンシューマーの内部アドレス |
メモリ最適化テーブルを作成していくつかクエリを実行した後に「sys.dm_db_xtp_memory_consumers」を実行すると、インメモリOLTPの内部システムのメモリ使用量に関する情報が出力されました(図1)。
メモリコンシューマーインスタンスの説明ではさまざまな種類があるため、DISTINCTを使用して種類を確認してみました(図2)。
可変長ヒープであるVARHEAPは、チェックポイントやパーティション関連など、さまざまな内部テーブルやヒープで使用されていることが確認できます。
※本Tipsは、「Windows Server 2019」上に「SQL Server 2019」をインストールした環境を想定して解説しています。
BIPROGY株式会社(ビプロジー)所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
BIPROGY株式会社(ビプロジー)所属。入社以来SQL Server一筋で評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。社内のプログラミングコンテストで4回の優勝経験も持つ。趣味は輪行で週末は自転車を持っての旅行。目標は色々な日本百選を制覇すること。
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