インメモリOLTPガベージコレクションの統計情報を出力するSQL Server動的管理ビューレファレンス(131)

「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、インメモリOLTPガベージコレクションの統計情報の出力について解説します。

» 2022年07月26日 05時00分 公開
[伊東敏章@IT]

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SQL Server動的管理ビュー一覧

 本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_xtp_gc_stats」における、インメモリOLTPガベージコレクションの統計情報の出力について解説します。対応バージョンは、SQL Server(サポートされている全てのバージョン)、「Azure SQL Database」「Azure SQL Managed Instance」です。

概要

 SQL ServerではインメモリOLTPを使用することで、トランザクション処理やデータ取得、データロード、一時データ・シナリオのパフォーマンスを最適化できます。インメモリOLTPでは、データアクセスやトランザクション実行は、従来のディスクベースのオブジェクトとは異なるアルゴリズムで処理されます。

 メモリ最適化テーブルのデータ行が削除されると、削除されたデータ行はインメモリOLTPガベージコレクションスレッドによってメモリ解放の対象になります。「sys.dm_xtp_gc_stats」動的管理ビューでは、インメモリOLTPガベージコレクションの実行に関する統計情報を出力できます。

出力内容

列名 データ型 説明
rows_examined bigint サーバの起動後にガベージコレクションサブシステムによって検査された行の数
rows_no_sweep_needed bigint ダスティーコーナースキャン(詳細な調査)なしで削除された行の数
rows_first_in_bucket bigint ガベージコレクションによって検査された、ハッシュバケットの最初の行であった行の数
rows_first_in_bucket_removed bigint 削除されたハッシュバケットの最初の行であるガベージコレクションによって検査された行の数
rows_marked_for_unlink bigint ガベージコレクションによって検査された「ref_count」が「0」のインデックスで、すでに「unlinked」としてマークされていた行の数
parallel_assist_count bigint ユーザートランザクションで処理された行の数
idle_worker_count bigint アイドル状態のワーカーによって処理されたガベージ行の数
sweep_scans_started bigint ガベージコレクションサブシステムによって実行されたダスティコーナースキャンの数
sweep_scans_retries bigint ガベージコレクションサブシステムによって再実行されたダスティコーナースキャンの数
sweep_rows_touched bigint ダスティコーナー処理によって読み取られた行
sweep_rows_expiring bigint ダスティコーナー処理によって読み取られた期限切れの行の数
sweep_rows_expired bigint ダスティコーナー処理によって読み取られた期限切れの行の数
sweep_rows_expired_removed bigint ダスティコーナー処理によって削除された期限切れの行の数

動作例

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