「Internet Explorer(IE)」のサポート終了、対象外でも即終了となったWindows Server SACの謎を解く山市良のうぃんどうず日記(237)

Microsoftは2022年6月15日、Windows 10におけるデスクトップアプリケーションとしての「Internet Explorer(IE)」のサポートを終了しました。このサポート終了は、Microsoft Edgeの「IEモード」の利用や、LTSC(長期サービスチャネル)リリースであるWindows 10やWindows Serverは対象外であり、引き続き利用可能です。FAQを見ると、LTSCではないWindows Server SAC(半期チャネル)も対象外となっていますが……。

» 2022年08月03日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

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SACなのにIEサポート終了の対象外になった理由とは?

 「Internet Explorer(IE)」のサポート終了に関する以下のMicrosoftのFAQページでは、「Windows Server LTSC(長期サービスチャネル)」だけでなく、「Windows Server SAC(半期チャネル)」もサポート終了の対象外にリストアップされています(画面1)。

画面1 画面1 LTSCじゃないのにIEサポート終了の対象外となったWindows Server SACの謎

 なぜ、LTSCリリースではないのにWindows Server SACが対象外になったのか少し考えてみました。このFAQページが初めて公開されたのは「2021年5月19日」(オリジナルの英語ページの方)のことです。当時のWindows Server SACの最新バージョンは「20H2」であり、そのサポート終了日は「2022年5月11日」でした(サポート期間はリリースから18カ月)。

 FAQページの「IEモード」のサポート終了日はOSのライフサイクルと同じで、FAQページではWindows Server SAC バージョン20H2のIEモードのサポート終了日が「2022年5月11日」となっています。その後、Windows Server SACの新しいバージョンがリリースされることはなく、2021年7月末にWindows Server SACの廃止が発表されました。そして、Windows Server SAC バージョン20H2のメインストリームサポートの終了日は廃止発表から1年先の「2022年8月9日」に、もともとの期限から3カ月延長されました(画面2)。

画面2 画面2 IEサポート終了対象外のWindows Server SACも「2022年8月9日」でOSのサポートが終了

 Windows Server SACがLTSCリリースではないのに(デスクトップアプリケーションとしての)IEサポート終了の対象外になったのは、IEサポートの2022年6月15日には既にOSのサポートが終了しているはずだからでしょう。

 MicrosoftのIEサポート終了に関わる担当者にとって、Windows Server SAC バージョン21H1が出ないことと、バージョン20H2が最後になることは決まっていたのでしょう。Windows Server SAC バージョン20H2のサポート終了日の3カ月延長により、ややこしいことになってしまったというわけです。

 でも安心してください。数日後にはその「2022年8月9日」がやってきます(日本では8月10日の品質更新プログラムが最後)。つまり。もうどうでもよいことです。

“そもそもIEのないServer Coreは関係ないでしょ”は間違い

 Windows Server SACは「Server Core」ベースのOSであり、Windowsでありながら、デスクトップ環境や多くのGUIツールを備えていません。もちろん、IEもインストールされません。そもそも、IEのサポート終了なんて関係ないと思うかもしれません。

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