Synergy Research Groupによると、2022年第3四半期における企業のクラウドインフラサービス支出が世界で575億ドルに達し、前年同期比で24%増となった。
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調査会社のSynergy Research Groupは2022年10月27日(米国時間)、2022年第3四半期における企業のクラウドインフラサービス支出が世界で570億ドルを超えたと発表した。
歴史的なドル高と中国市場の厳しい制限という2つの大きな逆風にもかかわらず、この数字は前年同期比で110億ドルを優に上回る増加(24%増)となった。為替レートが前年同期と同じであれば、増加率は30%を超えていた計算だ。
市場が力強い成長を続ける中、2022年第3四半期はGoogleが前の四半期からシェアを伸ばし、Amazon Web Services(AWS)とMicrosoftのシェアは比較的横ばいで推移した。前年同期比では、3社とも1ポイント以上シェアを伸ばしている。AWS、Microsoft、Googleの3社の合計市場シェアは、前年同期と比べ61%から66%に上昇した。
他のクラウドサービスプロバイダーにおける合計売上高は、2017年の遅い時期から3倍に増えたが、合計市場シェアは当時の50%から34%に落ち込んだ。これらプロバイダーの売上高成長率は、AWS、Microsoft、Googleの3社を大きく下回っているからだ。
これまでにほとんどの大手クラウドサービスプロバイダーが2022年第3四半期決算を発表しており、Synergy Research Groupはそれらを基に、第3四半期のクラウドインフラサービスの世界売上高(IaaS、PaaS、ホステッドプライベートクラウドサービスを含む)を575億ドル、2021年第4四半期〜2022年第3四半期の世界売上高を2170億ドルと推計した。
パブリックIaaSおよびPaaSがクラウドインフラサービス市場の大半を占めており、第3四半期に両サービスの売上高は26%増加した。パブリッククラウドでは大手クラウドサービスプロバイダーの優位性がより顕著で、上位3社で72%の市場シェアを占めている。地理的には、クラウド市場は世界の全地域で力強く成長を続けている。
「成長の妨げとなる2つの大きな障害にもかかわらず、世界市場が前年同期比で24%拡大したことは、クラウドコンピューティングのメリットを強く証明している。為替レートが安定していて、中国市場が平常の状態であれば、成長率は30%をはるかに超えていただろう」とSynergy Research Groupの主席アナリストを務めるジョン・ディンスデール氏は述べている。
「大手クラウドサービスプロバイダー3社は、いずれも米ドル建てで財務報告を行っているため、自国通貨の歴史的な高騰によって成長率が低下している。それでも、3社ともこの急成長市場で、前年同期に比べてシェアが上昇している。これは3社の戦略とその実行力が優れている証拠だ。これら3社以外のクラウドサービスプロバイダーは、合計シェアが1年間で3ポイント程度下落したが、売上高は2桁増と堅調だ。これらのプロバイダーにとって重要なのは、大手3社を打ち負かせる市場の特定分野に注力することだ」(ディンスデール氏)
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