リクルートでの新規プロダクト開発事例からエンジニアとしての価値の高め方を探る本連載。5回目となる今回は「モニタリング」にフォーカスし、機能追加や他サービスとの連携で見つかったモニタリングの課題とその改善策について解説する。
リクルートが実際の開発で活用した、変化の激しい市場でも有効な新規プロダクトをリリースするためのノウハウを紹介する本連載。前回(オフショアは「単価が安いエンジニア」ではなく「開発のゆとり」――リクルートが“新規プロダクト開発でオフショア”を選択した理由とは)は「オフショア開発の活用」にフォーカスし、新規プロダクト開発でも頼りになるオフショア開発チームを立ち上げる方法と、安定した開発体制を構築するポイントについてまとめました。第5回では「モニタリング」にフォーカスし、リリース後の改善フェーズ(エンハンスフェーズ)で得た気付きなどについて解説します。
本稿で紹介するポイントは以下の4つです。
なお、本稿の内容はリクナビの「HRTech 採用管理システム」をリリースした当時(2018年)の内容を基にしています。そのため、2022年現在ではより適したアーキテクチャや技術構成もあると思いますので、その点はご注意ください。
エンハンスフェーズの話の前に、プロジェクトで選定した技術と選定理由について説明します。
技術選定は、開発するシステムの機能要求を満たす必要がありますが、本プロジェクトは「不確実性の高い開発を高速で進めなければならない」というテーマがありました。そのため、機能要件はもちろん、「高速開発が可能で、長期的な保守に向いている(社内で要員を確保しやすい)技術」という要件を満たす必要がありました。
そのように検討した結果、採用した技術は以下の通りです。
2022年現在はあまり珍しくない構成ですが、当時としてはモダンで、開発効率を上げるには最適なシステム構成でした。この構成にすることで、要件を素早く取り込み、少ないメンバーでも開発を高速に進めるという目的は達成できました。
ただし、課題もありました。初回リリースが終わり、エンハンスフェーズに入るとこれまで適切と考えていた構成や、それに基づいて決めた運用だけでは対処できない課題が発生したのです。
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