Microsoftは、2019年2月から提供しているサービス「Azure Data Explorer」で、それまでプレビューとされていた「ダッシュボード」機能の一般提供を開始しました。この機能を利用すると、Azure Data Explorerで分析したクエリ結果をリアルタイムに視覚化し、チーム内で共有できます。
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Microsoft Azureの「Azure Data Explorer」(「ADX」とも呼ばれます)は、アプリケーションやWebサイトのログ、パブリックな統計情報データ、IoTデバイスなどから取得した大量のデータをリアルタイムで分析するための、高速性と拡張性に優れたフルマネージドデータ分析/探索サービスです。Microsoftは2023年2月21日(米国時間)、Azure Data Explorerでプレビュー提供されていた「ダッシュボード」(ADX Dashboard)機能の一般提供を発表しました。
新しいダッシュボード機能は、Azure Data Explorerに取り込んだデータに対するクエリを表やグラフなどで視覚化し、タイルとして配置したものです(画面1)。ダッシュボードの作成者は、Azure Active Directory(Azure AD)内の別のユーザーアカウントやグループ内でダッシュボードを共有するようにアクセス許可を設定できます(画面2)。
Azure Data Explorerの利用を開始するには、「Microsoftアカウント」またはAzure ADユーザーアカウントで以下のサイトにサインインします。Azureサブスクリプションやクレジットカードは必要ありません。
Azure Data Explorerサイトにサインインしたら、「Azure Data Explorerクラスター」を作成し、データベースを作成して、分析対象のデータを取り込みます。
Azure Data Explorerクラスターは、Azure VM(Linux)とストレージ、Azureネットワーク、Azureロードバランサーなど、複数のAzureリソースで構築されており、これらのリソースの使用量に対して、Azureサブスクリプションに「1分ごと」に課金されます。
しかし、最初は「クォータ」制限と機能制限のある無料版(Free Cluster)から始めることができます(画面3)。その後、Azureサブスクリプションが必要な有料版(Azure Cluster)にアップグレードすれば、Azure Data Explorerのフル機能を利用できるようになります。
データベースにデータを取り込んだら、「Kusto照会言語(KQL)」のクエリを作成して、実行することで、データを分析できます(画面4、画面5)。
Azure Data Explorerを使用すると、構造化データ、半構造化データ、非構造化データを時系列で分析し、機械学習(Machine Learning)を使用した高度な分析や予測モデルを作成することが可能です。ダッシュボードは、データソースとしてAzure Data Explorerクラスターに接続し、KQLクエリの実行結果を表やグラフで視覚化してタイルとして、1つのページに配置するものです(画面6)。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2009 to 2022(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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