Azureの各サービス(リソース)の料金予測と実際の請求で妙に単価が食い違っているのに気付いたことはないだろうか。それは価格表や料金計算ツールにおける「課金アカウント」の種類のせいかも? これらについて確認および注意すべきことを説明する。
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Azureで何か新しいサービス(リソース)を使おうとするとき、以下のような価格表や計算ツールであらかじめ料金を調べるのは、よくあることだろう。
ただ、すでに利用している同種のリソースの請求金額と、上記の価格表や料金計算ツールの結果を比較すると、単価が食い違っていることがある。もちろん、リソースの種類やワークロード、リージョンなどをそろえ、通貨をドルに統一していたとしてもだ。その差は数十%と決して無視できない場合もあったりする。
本Tech TIPSでは、Azureの料金の仕組みなどにまだ慣れていない人を対象として、その料金を大きく左右する「課金アカウント」と種類と、それを確認して料金計算ツールに反映する方法や注意点を説明したい。
ここでいう「課金アカウント」とは、Azureの各種サービスを利用することによって生じる課金や請求、支払いなどを管理するためのアカウントのことだ。これには以下のように複数の種類があり、Azureの直接の利用者がMicrosoftとどのようなライセンス契約を結んでいるかによって変わってくる(それぞれの詳細については、本稿末尾の「関連リンク」にあるMicrosoftの解説ページを参照していただきたい)。
「Azureの価格」ページにある料金表には、上記の課金アカウントのうち、MCAでの金額が掲載されている。「Azureの料金計算ツール」も、デフォルトではMCAでの単価を計算に用いている(詳しくは後述)。従ってその他の課金アカウントの場合だと、金額が一致しないことがある。
課金アカウントによって料金変更のタイミングが異なる点にも注意が必要だ。例えばMCAの場合、円ベースの料金は為替レートによって随時変動する。一方、MOSPだと円ベースで料金単価が定められている。実際、MOSPの料金単価は円安進行後、2023年4月に値上げされるまで、MCAより明らかに安価だった。
以上のように、正確な料金の確認には課金アカウントの確認が欠かせない。その課金アカウントは、以下のようにAzureポータルの[コストの管理と請求]で確認できる。
もし自身のアカウントでは上記の「プロパティ」が表示されない場合は、(課金情報にアクセスできる)料金担当者に上記手順を実施してもらって、課金アカウントの種類を確認しよう。
課金アカウントの種類の確認後、それをAzureの料金計算ツールに指定すると、その課金アカウントでの単価で各サービス(リソース)の料金が計算される。これにより、料金計算ツールによる予測利用料金と、実際の請求金額を近づけることができる。
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