「スキルが評価されない」のは気のせいではない? 約7割の企業で“IT人材の評価基準がない”ことが判明IPAが「デジタル時代のスキル変革に関する調査結果」を発表

IPAは、「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2022年度)」の報告書を公開した。それによると多くの企業で、キャリアアップのための計画的な配置や育成がされておらず、IT人材のスキルが適切に評価できていないことが明らかになった。

» 2023年04月25日 08時00分 公開
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 情報処理推進機構(IPA)は2023年4月24日、「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2022年度)」の報告書を公開した。この調査は、IT人材のキャリアとそれに対する企業の姿勢について調査したもの。IT人材1897人(企業に所属するIT人材1500人、フリーランスのIT人材397人)と企業2017社(IT企業792社、事業会社1225社)を対象に実施した。

 なお本調査ではIT人材を「先端IT従事者」「非先端IT従事者」に分類している。定義としては、先端IT事業者がデータサイエンス、AI(人工知能)、IoT(Internet of Things)、デジタルビジネス、アジャイル開発、DevOps、AR/VR(拡張現実/仮想現実)、ブロックチェーン、自動運転、MaaS(Mobility as a Service)、5Gなどに関するサービスに従事する人材、非先端IT従事者はそれ以外のサービスに従事する人材を指す。

キャリアアップのための計画的な配置や育成がされていない

 調査結果によると、これまでよりも大きなキャリアチェンジや高いレベルの職務、役割を志向している会社員が多いことが分かった。

画像 キャリアの志向性(提供:IPA

 企業に所属するIT人材のうち、「これまで担ってきた職務や役割にとらわれず、大きくキャリアチェンジしたい」と回答した人の割合は、先端IT従事者が20.4%、非先端IT従事者が18.1%。「これまで担ってきた職務、役割よりも高いレベルや、これまでの職務や役割に近しい別の職務や役割を担いたい」と回答した割合は、先端IT従事者が39.3%、非先端IT従事者が32.2%だった。

 キャリア形成上の悩みに関しては、「キャリアアップのための計画的な配置や育成がされていない」と回答した人が最も多く、その割合は先端IT従事者が32.2%、非先端IT従事者が28.5%だった。

画像 キャリア形成上の悩み(提供:IPA

 社内のIT人材を評価、把握する基準が「ない」と回答した企業の割合は67.4%。事業会社に限ると84.1%に上った。IPAは「IT人材のスキルを評価する基準を整備して適切に評価することが求められる」としている。

画像 社内のIT人材を評価、把握するための基準があるかどうか(提供:IPA

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