パーソル総合研究所は、全国の就業者を対象に実施した「企業の不正、不祥事に関する定量調査」の結果を発表した。不正や不祥事は就業者のストレスを高め、主観的な幸福感を下げるという。
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パーソル総合研究所は2023年4月28日、全国の就業者を対象に実施した「企業の不正、不祥事に関する定量調査」の結果を発表した。それによると、不正や不祥事は企業業績に大きな損害を与えるだけでなく、就業者のストレスを高め、主観的なウェルビーイング(幸福感)を下げるという。
調査結果によると、「企業の不正に関与したり見聞きしたりした経験がある」と回答した就業者の割合は合計で13.5%だった。
不正を目撃した人のうち、不正に対して何らかの対応をとった人の割合は53.9%。対応内容で最も多かったのは「社内の上司に報告した」で、その割合は36.2%(複数回答、以下同)だった。対応しなかった人にその理由を聞くと、「自分が対応しても、改善の見込みがないと思った」を挙げたい人の割合が33.0%で最も高かった。
不正の内容では、労務管理上の関与や目撃の割合が高かった。「サービス残業が日常的に発生している」と回答した人の割合は63.8%(複数回答、以下同)。「基準を超えた長時間労働が長い間継続している」は54.4%。「特定の従業員に対する組織的な嫌がらせやハラスメントが生じる」は48.1%だった。
職位別で最も多かったのは「部長相当」で、その割合は22.4%。次いで、「係長相当」が19.6%、「課長相当」が19.5%。業種別では、「運輸業、郵便業」や「医療、福祉」で、不正発生リスクが高かった。
パーソル総合研究所は不正発生リスクを高める要因について、「長時間労働や不明確な目標設定、成果主義、競争的な風土などが不正発生のリスク(個人の不正許容度、組織の不正黙認度)を高めている」と分析している。
「目標の透明性(個人目標と組織目標の関係が明確)、従業員主体の異動(会社都合の異動や転勤の少なさ)、人材の多様性について改善することで不正発生のリスクを下げることができる」(パーソル総合研究所)
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