IBMは、マルチクラウドを管理するためのSaaS「IBM Hybrid Cloud Mesh」を発表した。
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IBMは2023年5月17日(米国時間)、企業がマルチクラウドインフラを管理するためのSaaS「IBM Hybrid Cloud Mesh」を発表した。
IBMは、「企業はエッジ、ハイブリッド、マルチクラウドのアーキテクチャを採用し、アプリケーションやデータ資産をパブリッククラウドやプライベートクラウドに分散させ、リモートで動的なユーザーベースもサポートしている。だが、ITチームは、アプリケーションに必要な、安全で予測可能なネットワーク接続の実現に苦労している」との認識を示している。
IBM Hybrid Cloud Meshは、エッジ、ハイブリッド、マルチクラウド環境向けに、シンプルで安全かつ予測可能なアプリケーション中心の接続を提供することで、こうした問題への対処を支援する。CloudOpsチームにきめ細かいネットワーク制御機能を提供し、DevOpsチームに迅速な問題解決のための使いやすいインタフェースを提供し、運用のサイロをなくすと、IBMは述べている。
IBMは、IBM Hybrid Cloud Meshのメリットとして、以下を挙げている。
クラウド間の安全なアプリケーション接続を、数日ではなく数分で実現する。
単一のポータルにより、DevOpsチームとCloudOpsチームのコラボレーションを促進する。
サービスがある場所から別の場所に移動する際、ネットワークがアプリケーションに追従するようにする。
クラウドインフラとアプリケーションのシームレスな自動検出により、時間を節約する。
さらにIBMは、IBM Hybrid Cloud Meshは以下の特徴を持ち、ハイブリッドなマルチクラウドネットワークの可能性を最大限に引き出すとしている。
SaaSベースのアプリケーション中心の接続により、運用を簡素化し、運用のサイロを解消する。
ゼロトラストアーキテクチャを採用しており、エンドツーエンドの暗号化に対応している。セグメンテーションとマイクロセグメンテーションにより、セキュリティを向上させる。
最大規模のエンタープライズ環境にスケールアップでき、オンデマンドでリソースを増減させることができる。
CloudOpsチームとDevOpsチームの垣根をなくし、あらゆるサービスをあらゆるクラウドで提供する。
IBM Hybrid Cloud Meshの主なユースケースには、以下のようなものがある。
IBM Hybrid Cloud Meshでは、IBMが最近買収し、子会社化したNS1のDNSトラフィックステアリング機能を利用している。同機能を用いて、クラウドとエンドユーザーの最適な接続を見つけ、全ての接続ポイントで、パフォーマンス、コスト、可用性が最適化されたアプリケーションを提供する。
IBM Hybrid Cloud Meshは、2023年後半に一般提供が開始される予定だ。IBMはこれに先立ち、早期アクセスプログラムを提供している。
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