Gartnerは、最高データ分析責任者(CDAO)やデータ&アナリティクスリーダーなどが自社のデータ品質(DQ)を向上させるのに役立つアクションとそのカテゴリーを発表した。
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Gartnerは、2023年5月22日、最高データ分析責任者(CDAO)やデータ&アナリティクスリーダーなどが自社のデータ品質(DQ)を向上させ、高コストを回避し、組織に持続可能な価値を提供するのに役立つアクションとそのカテゴリーを発表した。
Gartnerのディレクターアナリストを務めるジェイソン・メッド氏は、「データ品質の問題は多大なコストをもたらす」と述べている。「問題を解決するのは難しいことではなく、多くの時間を費やす必要はない。CDAOに影響力があり支援的なデータ品質向上プログラムを導入していなければ、組織は多くの複雑化や機会損失に直面することになる」(メッド氏)
データ品質向上の取り組みは一度限りではない。「CDAOが犯す間違いの1つは、合理的に対応する際に組織文化、人材、プロセスにほとんど焦点を当てずに、データ品質改善にテクノロジー中心のアプローチを採用していること」とメッド氏は述べている。
Gartnerのアナリストは、2024年までに50%の組織が最新のデータ品質ソリューションを導入し、デジタルビジネスの取り組みをより適切にサポートすると予測している。
Gartnerは、CDAOが問題領域に基づいて取り組みに優先順位を付けるためのアクションを次の4つのカテゴリにまとめた。
CDAOは強力な基盤を確立するために正しいことに焦点を当てる必要がある。「CDAOは、ビジネスの成果に最も影響を与えるデータに焦点を当て、主要業績評価指標(KPI)と主要リスク指標(KRI)を理解し、ビジネスケースを構築する必要がある。次に、共通のデータ品質に関する言語を関係者と共有し、データ品質標準を確立する必要がある」(メッド氏)
基盤が確立されたら、CDAOはデータ&アナリティクスのガバナンスを担当する組織から支援を得て、事業部門と主要なデータ&アナリティクスチームからデータ責任者を指定する必要がある。これらの担当者は、優先順位に基づいて積極的に方向転換し、改善を支援するための新しい道を手段を模索する、また、ギャップを埋めるために必要な場合は、リアルタイムでデータを検証する。
「データはチームスポーツであるため、CDAOはデータ品質の向上の恩恵を受け、その利点を伝え、他の事業部門とのベストプラクティスを共有できるグループを形成する必要がある」(メッド氏)
データ品質を改善するために、データプロファイリングとデータモニタリングを実行し、現在のデータのギャップや課題を理解、検証することが重要だ。さらに、改善計画をモニタリングし、構築する必要がある。その後、CDAOは、信頼に基づいたガバナンスモデルに移行し、データ品質の取り組みが企業全体で採用されるよう推進できるようになるという。
CDAOは、テクノロジーを使用して手作業を軽減し、より迅速に結果を得ることでデータ品質を改善できる。また、頻繁に発生するデータ品質に関する問題を特定し、その解決策をビジネスワークフローに組み込むことによっても改善できる。CDAOはまた、データ品質に関して全ての関係者間で知識を共有しコラボレーションを促進することで、ビジネス全体のデータリテラシーを向上させる必要がある。
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