Linux FoundationとGoogle Cloud、Kubernetesをベースにネットワーク自動化を支援する「Nephio R1」を提供開始通信業界向けにインフラ管理簡素化を支援するフレームワークや機能群を提供

Linux Foundationは、通信業界向けにクラウドインフラとネットワーク管理の簡素化を支援する「Nephio Release 1」の提供を開始したと発表した。

» 2023年08月30日 10時00分 公開
[@IT]

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 オープンソースソフトウェア(OSS)を通じたイノベーション促進を目指す非営利組織Linux Foundationは2023年8月8日(米国時間)、「Nephio Release 1(R1)」の提供を開始したと発表した。

 Nephioは、Kubernetesをベースに、ネットワークインフラのデプロイやライフサイクル管理の自動化を支援するオープンプラットフォームだ。スケーラブルな5Gネットワークの構築、管理、デプロイが求められる通信業界向けに、アジリティ(俊敏性)と最適化を支援するフレームワークや機能群を提供する。クラウドインフラとネットワーク機能のゼロタッチプロビジョニングが可能になり、ネットワークの可用性や耐障害性を高めると同時にメンテナンスのダウンタイムを削減できると、Linux Foundationは述べている。

 Linux Foundationによると、Nephioプロジェクトの発足以降、クラウド、通信、ネットワーク機能を提供する企業から積極的な支持を受け、Google Cloudが提供した初期のソースコードを拡張してNephio R1を提供するまでに至ったという。

 Linux FoundationのネットワーキングエッジIoT担当ゼネラルマネジャーであるアーピット・ジョシプラ氏は次のように述べている。「Nephio R1がリリースされ、高い需要があることをこの上なくうれしく思う。大規模なエッジデプロイメント全体で相互接続されたワークロードを管理する複雑さを簡素化するものであり、クラウドネイティブエコシステム内で大規模システムを管理する大きな進歩になる」

 Nephioの技術運営委員会議長であるカンダン・カティルベル氏は次のように述べている。「Nephioは通信業界にとって画期的なものだ。通信事業者がネットワーク全体を効率的かつ確実に自動化し、真のゼロタッチプロビジョニングを実現するのに役立つ。コミュニティーがKubernetesの原則を受け入れ、Nephio R1を提供するためにGoogle Cloudが提供したソースコードを進化させたスピードは、驚異的だった。通信業界におけるデプロイメントを簡素化するために、インテントベースの自動化に対する大きなニーズがあることは明らかであり、Nephioはその需要に応えることができる」

Nephio R1の主な機能

 Linux Foundationは、Nephio R1の主要機能を次のように説明している。

  • クラウドインフラ、Kubernetesクラスタ、5Gネットワーク機能、ネットワーク構成のプロビジョニングとライフサイクル管理のための共通構成テンプレート
  • KRM(Kubernetesリソースモデル)とCaD(Configuration as data)を使用したGitOpsベースのパッケージ管理とスケーラブルなデプロイメント
  • マルチクラウドインフラとマルチベンダーネットワーク機能の統一されたKubernetes CRDとオペレーターベースのデプロイメント
  • 大規模環境の管理を支援するKubernetesベースのNephioコントロールプレーン
  • サービスオーケストレーションレイヤーと統合するための共通のユーザーインタフェースとAPI
  • 複数のペルソナをベースとした管理、承認の設定

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