Windows Server 2016以降、リモートデスクトップサービスの仮想マシンベースのデスクトップ展開では、サポートされるゲストOSにWindows 11が含まれていません。サポートの有無は別として、Windows Server 2022でWindows 11ベースのVDIを構築できるのかどうか検証してみました。
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「Windows Server 2016」以降、「リモートデスクトップサービス(RDS)」の仮想マシンベースのデスクトップ展開では、「Windows 7 SP(Service Pack)1」「Windows 8.1」「Windows 10」のEnterpriseエディションがゲストOSとしてサポートされています。サポートされているゲストOSのリストに「Windows 11」は含まれていません。
Windows 7 SP1とWindows 8.1は「2023年1月」に製品サポートが終了しています。そのため、正式にサポートされるのは事実上、Windows 10 Enterpriseのみとなります。そして、ご存じのように、Windows 10の製品サポートは後2年と少し、「2025年10月」に終了してしまいます。
最新のWindows 11を正式にサポートするVDI(仮想デスクトップインフラストラクチャ)環境が必要な場合、Microsoftの製品とサービスで実現するには、クラウドベースのVDIサービスを利用するしかないのが実情です。
「Azure Virtual Desktop」や「Windows 365クラウドPC」(画面1)は、Windows 11 Enterpriseのシングルセッションまたはマルチセッション(Azure Virtual Desktopのみ)の仮想デスクトップを提供します。プラットフォーム部分はMicrosoftによって管理され、「Microsoft Entra ID」(旧称、Azure Active Directory《Azure AD》)だけのシンプルな展開も可能であるため、導入や運用管理も簡素化されます。
クラウドにリソースを置きたくないという場合は、「Azure Virtual Desktop for Azure Stack HCI」を利用することで、オンプレミスで仮想デスクトップをホストすることもできます(ただし、現在プレビュー段階)。
従来のRDSでVDI環境をオンプレミスのWindows Server上に構築する場合、Active Directoryドメイン環境に、接続ブローカーやHyper-V仮想化ホスト、Webポータル(RD WebアクセスおよびHTML5ベースのRD Webクライアントアドオン)、ライセンスサーバ(ライセンスなしでも120日間の試用期間で評価可能)など、さまざまなコンポーネントを展開し、セットアップする必要があります(画面2)。
また、社外からのリモートアクセスを可能にするには、ゲートウェイ(RDゲートウェイ)を設置する必要もあります。さらに、セキュリティを強化するためには、Microsoft Entra IDとディレクトリ同期されたハイブリッドID環境の導入も必要になります(Azure多要素認証、条件付きアクセス、Microsoft EntraのApplication Proxyを利用するため)。
Windows 11 Enterpriseは、RDSでサポートされるゲストOSのリストには含まれませんが、サポートの有無とは関係なく、技術的に可能なのかどうか、何か実装上の問題があったりするのかどうか、最新のWindows 11バージョン22H2で試してみました。
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