Cubic Transportation Systemsのジェリー・オーウェン氏はWebメディア「TechTarget」にてソフトウェアのQAチーム(品質管理チーム)の品質管理プロセスを改善するのに役立つ、5つのベストプラクティスを紹介した。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
Cubic Transportation Systemsのジェリー・オーウェン氏は2023年8月16日(米国時間)、Webメディア「TechTarget」にてソフトウェアのQA(品質管理)チームがレビュープロセスを改善するのに役立つ、ベストプラクティスを紹介した。
同氏は「ソフトウェアの品質保証は、単に基本的なアプリケーション要件を確認するだけでなく、より高度なアプローチが求められる」と指摘。ソフトウェアQAチームが品質を向上させるために取り組むべき5つの方法を紹介した。
慎重に計画されたテスト戦略はQAテストの基盤となるとオーウェン氏は指摘している。
「組織が採用するソフトウェア開発手法、特定のドメインの要件、対象アプリケーションの特性に合わせてテストも調整されるべきだ。特に厳格な品質基準が求められる業界では、テスト計画文書は規制機関の要件に準拠する必要がある。
「シフトレフト」戦略は、品質エンジニアリングをプロジェクト初期から導入し、欠陥を事前に防ぐことを目指すものだ。これは、テスターが開発プロジェクトの初期段階(つまり、開発の“左”の段階)で積極的に関与することを指す。
「アジャイル手法を採用する組織では、このアプローチを容易なはずだ。そうでない場合でも、テストチームはできるだけ早く要件と設計のレビューを実施し、非機能テスト(特にパフォーマンスとセキュリティ)を初期段階で考慮すべきだ」とオーウェン氏は指摘している。
テストの自動化は重要な要素だが、無計画にならないように注意が必要だ。自動化を始める前に、「何を自動化するか」「なぜ自動化するのかという理由」を明確に定義する。例えば、回帰テストやエンドツーエンドテストは作成するのか、スプリント内の自動化を目指すかといった決定する必要がある。
また、費用対効果を分析し、自動化ツールのメンテナンスコストを考慮することも重要だ。オーウェン氏は「テスト自動化の努力は一度限りのものではなく、自動化されたテストの有効性を維持するためには頻繁な最適化が必要だ」としている。
オーウェン氏は「品質の高いアプリケーションは、機能的および非機能的な要件だけでなく、UXにも焦点を当てるべきだ。顧客にとってアプリケーションの直感的な使いやすさは非常に重要だ」と指摘。
アプリケーションの操作性やエラーメッセージの正確さ、分かりやすささを評価するテストケースを作成することで、アプリケーション内のワークフローがシンプルで直感的かどうか、ユーザーが受け取ったエラーメッセージが問題の内容を完全に説明しているかどうかを判断できる。こうしたテストはユーザーの満足度を向上させるための取り組みに大いに役立つという。
アクセシビリティーも重要だ。QAチームはさまざまなユーザーグループのニーズを考慮したアクセシビリティーテストを実施すべきだとオーウェン氏は指摘している。
ソフトウェア品質の保持には、本番環境での監視が必要だ。「ABテスト」や「カナリアテスト」などの手法を使用して本番環境でのテストを実行し、問題を事前に解決することが重要だ。オーウェン氏は「テストがどれほど完了していても、欠陥が本番環境に逃げ込むことは避けられない。目標とすべきなのは、これらの欠陥を見つけて、顧客に影響を与える前に修正することだ」と述べている。
また、本番環境での監視も重要だ。ネットワークの問題やサーバの停止などに早期に対応することで、ユーザーエクスペリエンスを確保できる。
オーウェン氏はまとめとして次のように述べている。
「ソフトウェアの品質を確保するために、QAチームはこれら5つのベストプラクティスを実践すべきだ。品質保証はプロジェクト全体のライフサイクルを通じて継続的に実施されるべき大切なものであり、顧客満足度を向上させるための重要な要素だ」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.