今さら聞けない、スクリプト言語とプログラミング言語の違いスクリプト言語の主な特性

TechTargetは、スクリプト言語とプログラミング言語の違いに関する記事を公開した。プログラマーがプログラミング言語を選ぶ場合、解決すべき問題とその言語の設計が目指すコンピューティングの目標に応じて選択するのが一般的だという。

» 2023年11月15日 08時00分 公開
[Kerry DoyleTechTarget]

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 スクリプト言語とプログラミング言語には、想像以上にわずかな違いしかないかもしれない。例えばスクリプト言語は、インタープリタを使って、ソースコードをWebブラウザ、サーバ、アプリケーションにおけるソフトウェア動作につなげる。一方で、スクリプト言語は、インタープリタを必要としないC++やC#、Rustのように強力な言語に進化している。

 スクリプト言語は、ランタイム環境内で簡単なタスクを実行するために使用されるのが一般的だが、プログラム同士を結び付けるために使われることもある。スクリプト言語は、タスクの実行を自動化するのに使われる一方、ソフトウェア機能を強化し、構成を行い、データセットからデータを抽出することに使われることもある。

 JavaScriptやPHPは、コンパイルプロセスを必要とせず、インタープリタを使用するスクリプト言語だ。一方、C、C++、Goなどのプログラミング言語の一部は、コンパイラを使ってその言語をマシンコードに変換し、ハードウェア上で基盤となるOSの命令を実行する。つまり、コンパイル後のコードは、可能な限りハードウェアに近いレベルで実行されるため、迅速に機能する。変換後のバイナリは、実行しているOSとCPUアーキテクチャが同じなら別のコンピュータでも実行できる。

 本稿では、プログラミング言語とスクリプト言語の定義と、相互の相違点を説明する。また、インタープリタとコンパイラ、高レベルと低レベル、アセンブリの観点から主な特性についても取り上げる。

スクリプト言語の主な特性

 初期の頃、簡単なスクリプト言語が主に使われていたのがタスクの自動化だ。だが現在では、OSや統計分析ソフトウェア、業務アプリケーションの設計に使われるスタンドアロンの言語になっている。

 プログラマーは、JavaScript、PHP、PowerShell、VBScriptなどのスクリプト言語を使って、実行する一連のアクションを指定する。スクリプト言語には、ソフトウェアシステムを構築するためのガイダンスが提供されており、特定のランタイム環境内で、自動化やソフトウェアシステムの機能強化、ソフトウェアの構成、データ抽出といったアクションを実行できる。

 例えばゲーム開発では、スクリプトを作成することでデバッグが容易になり、コードのテストが可能になり、開発速度が上がる。同時に、プログラマーはプラットフォーム全体を再コンパイルすることなく、ゲームロジックを変更できる。スクリプト言語は動的であり、ガベージコレクションによってコーディングプロセスの速度が上がる。

 スクリプト言語の主な特性は以下の通り。

  • インタープリタが使われる:コンパイラとインタープリタの両方が使われるPythonやGroovyを除き、コンパイルのプロセスを実行する必要がない
  • 一連の命令として機能する:スクリプトは特定のソフトウェアシステムをターゲットとして、そのシステム上での特定の操作を自動化できる
  • 定型コードを必要としない:スクリプト言語が備える構文は簡潔なので、プログラマーはあまり労力をかけずに、多くのことを実現できる。わずか2〜3行のコードで構成されるプログラムもある
  • プログラム制御を公開するメカニズムが用意されている:プログラマーは表現力豊富な関数を備えるインタフェースを使うことで、対話方式のコーディングが可能となる

 ただし、スクリプト言語はネイティブプログラミング言語のサブセット上で実行されるので、アクセスできるコンパイラのローカル機能は少ない。スクリプトのプロセスは連続して実行される一連のコマンドで構成されるが、その実行はランタイム環境による。プログラマーはスクリプト言語を使ってスタンドアロンのデスクトップアプリケーションやモバイルアプリケーションをビルドすることはできない。そうしたアプリケーションをインタープリタ方式で実行できるランタイムは存在しない。

サブタイプ:クライアントサイドスクリプトとサーバサイドスクリプト

 インターネットに接続されるデバイスは、複数の個別サーバによって統合されるネットワークを通じてコミュニケーションを取る。これらのサーバは定期的にメンテナンスが行われ、フェイルセーフな動作が確保される。そのため、複雑な問題や障害がエンドユーザーに影響することはない。こうした一元管理型サーバサイドアプローチの問題としては、クライアントからサーバへのデータの中継による影響や、遅延の影響などが考えられる。トップクラスのスクリプト言語では、サーバサイドプロセスのこうした制限を解決する動的なWebサイトを作成できる。

 例えば、以下のようなトップクラスのスクリプト言語は、スケジュールを設定し、データをマイニングし、エンドユーザーに表示するWebコンテンツを変更するスクリプトを自動化および実行する。

  • PHP:オープンソースのアプローチを提供し、さまざまなデータベースを柔軟に統合する
  • Python:容易なコーディングプロセスとカスタマイズされたWebフレームワークによって読みやすさと明快さを提供する
  • Node.js:ランタイム環境を備えるスクリプト言語を提供し、JavaScriptやCoffeeScriptなど、他のスクリプト言語を処理する
  • Ruby:フロントエンドとバックエンドのWeb開発向けに設計されたオブジェクト指向プログラミング(OOP)のスクリプト言語。プログラマーは効率の良いコードを作成できる
  • Java:Webで広く使用されているOOPベースの言語で、実装の依存関係の数を制限する

インタープリタ方式とコンパイル方式、高レベルと低レベル、そしてアセンブリ

 スクリプト言語はコンパイラを必要とせず、作成したコードはインタープリタによってネイティブマシンコードに変換される。一方、開発中の特定プログラムを実行したり、選択したプログラミング言語を使用したりするために、適切なインタープリタがインストールされている必要があるプログラミング言語もある。

 スクリプト言語はコンパイラを必要としないので、開発速度が上がる。それだけでなく、プログラムが単なるテキストファイルとして配布されるので、プラットフォームに依存しなくなる。BashやPerl、Python、JavaScriptなどのインタープリタ方式のプログラミング言語は、プラットフォームに適切なインタープリタが用意されていれば、プログラムの実行が保証される。

 言語が必ず同じように解釈されるかどうかは、目的とするユースケースによって決まるのが一般的だ。プログラマーはどの言語を選ぶかを判断する場合、確実な結果を得られるかどうかとその言語の主要特性を基準にする。

 例えば、PythonやJava、Ruby、JavaScriptといった高レベル言語は構文が分かりやすく、判読や作成、保守が容易になるので、高いレベルの抽象化をもたらす。ただし、ハードウェアを直接制御することはできない場合が多い。一方で、C++、C#、Java、Rustといったプログラミング言語を使えば、メモリ、CPU、入出力(I/O)をより直接的に制御できる。そのため、プログラマーはハードウェアへのアクセスやハードウェアの操作を可能にするためにアセンブリを使うのが一般的だ。アセンブリによって、プログラマーは言語ベースの命令とアーキテクチャのマシンコードを操作して、基本的なコンピューティング機能をバイナリコードに変換できる。各CPUは、独自の上位互換可能かつ相互運用可能なバージョンを採用している。

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