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Salesforce傘下のSlackは2023年12月5日(米国時間)、世界主要6カ国の1万人以上のデスクワーカーを対象とした勤務時間や生産性などに関する調査「Workforce Index」の結果を発表した。
「従業員の生産性、ウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に健康で、充実している状態)、満足度を最大化するための勤務体系に関する新たな発見があった」としている。
同調査は米国、オーストラリア、フランス、ドイツ、日本、英国のデスクワーカー1万333人を対象に、Qualtricsの管理下で行われた。SlackやSalesforceの従業員や顧客は調査対象に含まれていない。Qualtricsはエクスペリエンス管理プラットフォームの提供企業。
調査結果のハイライトは以下の通り。
- 義務感から時間外労働をしているデスクワーカーは、終業時刻にログオフするデスクワーカーと比べて、生産性スコアが20%低い
- 勤務中に休憩時間を設けることは従業員の生産性とウェルビーイングを向上させるが、デスクワーカーの半数は、ほとんどまたは全く休憩を取らないと回答した
- デスクワーカーは、理想的な集中時間を1日4時間程度としており、1日の会議時間が2時間以上になると、過半数のワーカーが会議に負担を感じるようになる
- デスクワーカーの4人に3人が午後3〜6時に仕事をしていると回答しているが、その中で同時間帯の生産性が高いと考える人は4人に1人しかいない
- デスクワーカーの37%(5人に2人)は少なくとも週1回、通常の就業時間外にログオンしており、その54%(半数以上)は、自発的にではなく、プレッシャーを感じてそうしていると回答している
- 義務感から時間外労働をしているデスクワーカーは、終業時刻にログオフするデスクワーカーと比べて、仕事関連のストレスが2.1倍高く、仕事環境全般に対する満足度が1.7分の1にとどまり、燃え尽き症候群に陥る傾向が2倍高い
Slackは「仕事時間の配分のバランス」「生産性」「AIツール」というカテゴリーで、主な調査結果を以下のように報告している。
- デスクワーカーの27%(エグゼクティブの55%を含む)が、会議に費やす時間が長過ぎると答えている
- デスクワーカーの25%(エグゼクティブの43%を含む)が、電子メールに費やす時間が長過ぎると答えている
- デスクワーカーの20%が、同僚との交流に十分な時間を割けておらず、この問題は若いワーカーほど顕著だ
- 勤務中に休憩をほとんど、または全く取らないデスクワーカー(全体の50%)は、燃え尽き症候群になる傾向が1.7倍高い
- 最も生産性が高い人は、時間管理戦略を実行している。特定のタスクの完了に専念する時間を設ける傾向が1.6倍高く、特定の時間にのみメールをチェックする傾向が1.7倍高く、集中タイマーを設定する傾向が2.2倍高い
- 勤務中に定期的に休憩を取るデスクワーカーは、生産性のスコアが13%高く、ワークライフバランスのスコアが62%高く、ストレスや不安を管理する能力が43%高く、全体的な満足度が43%高い
- デスクワーカーの約10%(入社1年未満と30歳未満に多い)は、会議に費やす時間が少な過ぎると答えており、これは帰属意識や生産性の低下と関連している
- 多くのデスクワーカーが、AI(人工知能)ツールで勤務時間の配分のバランスをもっとコントロールできるようになる可能性に期待している
- エグゼクティブの94%が、AIを組織に導入することに何らかの緊急性を感じており、半数が強い緊急性を感じていると答えている
- だが、AIの導入はまだ初期段階にあり、AIツールを仕事に使ったことがあると回答したデスクワーカーは、5人に1人にすぎない
- デスクワーカーの80%以上が、AIツールはまだ仕事の生産性を向上させていないと回答している
- デスクワーカーは、AIが最も価値を提供すると期待している機能のトップ3として、「会議のメモとまとめ」「文章作成支援」「ワークフローの自動化」を挙げている
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