IDC Japanは、国内ITインフラ運用動向調査の分析結果を発表した。それによると、ITインフラを自社のスタッフだけで運用している割合は低下しており、今後マネージドサービスを利用する意向が高まる見込みだ。
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IDC Japanは2023年12月14日、国内ITインフラ運用動向の調査結果を発表した。この調査は国内の企業でITインフラ導入の意思決定やプロセスに関与する人を対象に実施し、554人から有効回答を得た。
最も重要なワークロード(または最も規模の大きな環境)のITインフラについて運用形態を調査したところ、ITインフラを自社のスタッフだけで運用している割合は低下傾向にあった。IDC Japanは「マルチクラウド化に伴うITインフラ運用の複雑化、セキュリティ対応やIT管理者の確保の困難さ、運用管理コストの増加などが要因となっている」としている。
このことからIDC Japanはマネージドサービスを利用する割合が現在(2023年)の10.5%から2025年には26.2%に大きく上昇し、マルチクラウドを利用する企業も現在の71.6%から83.1%に増加すると予測している。
このように、IDC Japanは今後、ITインフラ運用ではクラウドやクラウドサービスを利用する割合が今以上に増加すると予測している。こうした中で気になるのは世界的なインフレーションや為替変動によるクラウドコストへの影響だ。IDC Japanによるとクラウド支出の最適化に取り組んでいる割合は62.6%だった。その中で、クラウド支出を継続的に最適化するフレームワーク「FinOps」を実践している割合は17.5%だった。
IDC Japan宝出幸久氏(Infrastructure & Devices リサーチマネジャー)は、「パブリッククラウドの普及がITインフラ運用の在り方に影響を与えている。マルチクラウド化が進むITインフラ全般にわたって運用管理の自律化を進め、ITインフラコストや運用管理コストの最適化、セキュリティやリスク管理の強化を図るべきだ」と分析している。
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