Microsoftは、2023年11月中旬からパブリックプレビュー提供していた「Windows Admin Center(WAC)バージョン2311」の一般提供を開始しました。
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「Windows Admin Center(WAC)」は、「Windows Server」「Windows 10/11」クライアント、Windows ServerとMicrosoft Azureとのハイブリッド環境、およびハイパーコンバージドインフラストラクチャ「Azure Stack HCI」のセットアップと構成、管理に対応した、モダンブラウザ(「Microsoft Edge」および「Google Chrome」)対応のWebベースの管理ツールです。
Microsoftは2023年12月12日(米国時間)、最新のGA(Generally Available、一般提供)バージョン「WAC バージョン2311」をリリースしました。GAビルドは「1.5.2312.09001」です(画面1)。
WACは半期に一度、新バージョンがリリースされ、旧バージョンは新バージョンがリリースされてから30日後に終了します。現在、「WAC バージョン2306」を利用中で、Microsoft Updateによる更新を「有効」にしている場合は、今後、2〜3週間のうちにWindows Updateを通じて更新されますが、すぐに更新したい場合は、WACにアクセスして[設定|更新]から「WindowsAdminCenter2311.msi」をダウンロードして更新してください。
WAC バージョン2311には10を超える新機能と改善点があり、そのリストは「?|新着情報」で確認できます。
主な新機能は、「クラスターマネージャー」の「イベント」ツールが全てのノードにまたがるイベントを監視できるようになったことと、「ファイル&ファイル共有」ツールに「ファイルの編集」機能が追加されたことの2つです(画面3)。
また、「新着情報」のリストにはありませんが、「更新プログラム」ツールが「コンピューターの管理」でも利用可能になりました。
これまで「更新プログラム」ツールは「サーバーマネージャー」では利用できましたが、Windows 10/11を管理する「コンピューターの管理」では利用できませんでした。WAC バージョン2311では、ローカルまたはリモートのWindows 10/11の更新プログラムの確認とダウンロードにも対応したということです(画面4)。
この他、管理対象の接続一覧への「Azure Arcの状態」列の追加(画面5)、「仮想マシン」ツールの改善、「クラスターマネージャー」の「更新」ツールの強化および記憶域スペース設定の強化、UI(User Interface)の改善やコンテキストメニューの充実などが行われています。
最後に、今回、以下に示すWACの「Windows Defenderアプリケーション制御(WDAC)」対応機能および、「Azure VM(仮想マシン)用Windows Admin Center in Azure」のGAも発表されています(Arc-enabled serversとAzure Stack HCI用はプレビュー)。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2009 to 2024(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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