この時期恒例となった「サポートが終了する」Microsoft製品/サービスをまとめて取り上げます。「Windows 10」は2024年もまだ使用可能ですが、サポート終了まで“残り2年”を切りました。
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Microsoftは自社の製品およびサービスのサポートライフサイクルの終了予定に関して、以下のWebサイトに終了年ごとの一覧を公開しています(画面1)。向こう1年、つまり2024年中にサポート終了を迎える製品とサービスを確認し、家庭や企業で影響を受けるものがないかどうかを確認することをお勧めします。
「Microsoft Azure」のサービスや、そのサービスの機能は、日々アップデートされています。レガシーなサービスや機能の廃止については、通常、1年前までにアナウンスされます。2024年中に多くのサービスや機能の廃止が予定されていますが、多くの利用者に影響するものをピックアップしました。
「Azure PowerShell」のレガシーな「AzureRM PowerShell」モジュールの機能およびそれ以上の機能は、後継の「Az PowerShell」モジュールが備えています。AzureRM PowerShellモジュールを使用したスクリプトがある場合は、廃止までにAz PowerShellモジュールを使用するように変更してください。スクリプトを自動変換するための「Az.Migration」モジュールを利用することも可能です(画面2)。
既に廃止されたAzure仮想マシンの基盤サービスでもあった「クラウドサービス(クラシック)」「ストレージアカウント(クラシック)」「ネットワークサービス(クラシック)」が廃止されます。
新しい「Azure Monitor」エージェントに移行する必要があります。
「モダンライフサイクルポリシー」下で提供される製品の以下のサービスが終了します。影響を受ける場合は、サービス終了までにサポート期間中の後継バージョンに移行する必要があります。
「固定ライフサイクルポリシー」(メインストリーム5年+延長サポート5年)の延長サポートが終了する製品を以下に示します(開発ツールについては省略しています)。
「Windows Server 2008」と「Windows Server 2008 R2」は、「2020年1月14日」のサポート終了後も、ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)を購入(Azureでは無料)することで3年間、セキュリティ更新プログラムを受け取ることができました。
Azure上のインスタンスでは、さらに4年目のESUも提供されていますが、これが2024年早々に終了します。今後もWindows Server 2008/2008 R2のインスタンスをAzure上で実行することはできますが、セキュリティ更新プログラムは提供されなくなるため、セキュリティ上のリスクが高まります。
「Microsoft Diagnostics and Recovery Toolset(DaRT)8.1」と「User Experience Virtualization(UE-V)2.0」は、「Windows Enterpriseソフトウェアアシュアランス(SA)」契約者に無償で提供される「Microsoft Desktop Optimization Pack(MDOP)」の一部です。
DaRT 8.0は「Windows 8」および「Windows Server 2012」に(画面3)、UE-V 2.0は「Windows 8.1」および「Windows Server 2012 R2」に対応したバージョンです。
最新バージョンは「Windows 10」および「Windows 11」に対応したDaRT 10.0およびUE-V 2.1 SP(Service Pack)1です。Windows 10 バージョン1607以降、UE-VはWindows 10/11 Enterpriseに組み込まれています。DaRTはサポートが終了したバージョンであっても動かなくなるわけではなく、引き続きトラブルシューティングに使用しても問題ないでしょう。
Windows 11は、Windows 10よりもハードウェア要件が厳しく、2年前にWindows 11が登場した際、多くのWindows 10デバイスがWindows 11にアップグレードできずに取り残されました。
「Windows 10 バージョン22H2」は、Windows 10の最後のバージョンです。そのWindows 10(LTSC《長期サービスチャネル》リリースを除く)の製品サポートも、「2025年10月14日」についに終わりを迎えます。Windows 10を現在も利用していて、今後もPCを利用し続けたいという場合は、残り2年を切ったこの期間に、デバイスを破棄して最新モデルにリプレースするか、Windows以外のOSで再利用するかなど、決断する必要があります。
Microsoftは2025年10月のWindows 10のサポート終了後も、引き続きWindows 10を使用せざるを得ない個人または組織に対し、有料のESU年次サブスクリプションを最大3年間提供する予定です(画面4)。
価格など、詳細はサポート終了日の1年前までには発表され、購入できるようになる予定です。現時点では、「Windows 365」の「クラウドPC」ユーザーのアクセス元Windows 10デバイスと、「Azure Virtual Desktop」上のWindows 10インスタンスに対し、追加費用なしでESUが提供されることが決まっています。個人向けのESUの販売は、Windows 10のESUが初となります。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2008 to 2024(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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