IDCが発表した企業の生成AIソリューション支出予測によると、全世界における企業の生成AI投資は、2023年では194億ドル以上。2027年には1511億ドルに達するという。
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IDCは2023年12月21日(米国時間)、企業の生成AI(人工知能)ソリューション支出予測を発表した。これによると、企業は2023年に生成AIソリューションに全世界で194億ドル以上を投資していたという。生成AIソフトウェアだけでなく、関連するインフラハードウェアやIT/ビジネスサービスを含むこの支出は、2024年には2倍以上になり、2027年には1511億ドルに達すると予想され、2023年から2027年の予測期間中の年平均成長率(CAGR)は86.1%に上る。
同社ワールドワイドリサーチ担当グループバイスプレジデントのリック・ヴィラーズ氏は次のように語る。「2023年にはIT業界に逆風が吹いたにもかかわらず、企業は生成AIをビジネス変革のために積極的に活用してきた。2024年には、企業はAIをあらゆる側面で活用し、主に顧客と従業員の生産性向上に焦点を当て、それに伴う時間とコストを大幅に削減するための新たな大規模な投資を行うだろう。そして、その後は主に収益とビジネス成果向上のための投資に注力することが予測される」
同社は、組織が初期の実験から積極的なインフラと訓練されたデータモデルの構築、そして全てのビジネス活動のエッジに拡張する広範な採用へと移行するにつれて、生成AIへの投資は今後数年間にわたって自然な進展をたどると予想している。
「あらゆるレベルの企業がAIの導入とAIを強化した製品/サービスの採用に向けて技術投資のシフトを経験すると考えられるが、IT業界はAIに対し、より大規模に、より迅速に方向転換する」と同社は推測している。
「なぜなら、どの企業もAIを強化した製品/サービスを導入し、顧客のAI導入を支援しようと競争するからだ。ほとんどの企業にとって、AIはクラウドに代わってイノベーションの主要な動機となるだろう」(IDC)
ハードウェア、IaaS(Infrastructure as a Service)、システムインフラストラクチャソフトウェア(SIS)を含む生成AIインフラストラクチャは、構築フェーズでの最大の投資分野となると同社は予測している。一方で、生成AIプラットフォームとアプリケーションソフトウェアは、予測期間終了の2027年までにインフラを徐々に追い越し、5年間のCAGR(年平均成長率)が99.6%になるという。同様に、ITサービスやビジネスサービスを含む生成AIサービスも、5年間のCAGRが94.2%となり、2027年までにはインフラ支出とほぼ同等になる見込みだ。
2027年までには、生成AI支出はAI支出全体の29.0%を占め、2023年の10.8%から大幅に増加する。「生成AIへの支出は、これらのソリューションが企業のデジタルビジネスコントロールプラットフォームにおいて中心的で重要な位置を占め、ビジネス戦略の中で不可欠な技術となる」(IDC)
ワールドワイド人工知能およびオートメーション市場調査兼アドバイザリーサービス担当グループバイスプレジデントのリトゥ・ジョティ氏は次のように述べる。
「生成AIは、従来のAIソリューションに投資する触媒として機能してきた。従来のAIと生成AIの相乗効果により、業界全体に可能性が開かれる。AIの将来を見据え、従来のAIと生成的な創造性を融合する総合的なアプローチを採用することで、破壊的イノベーションを促進しながら進化する課題に適応できる、より汎用(はんよう)性の高いAIシステムが実現するだろう」
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