日立製作所とAWSは、戦略的協業契約を締結した。両社が協創してきたハイブリッドクラウド向けソリューションの開発のさらなる強化に取り組むという。
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日立製作所(以下、日立)は2024年3月11日、アマゾン ウェブ サービス ジャパンと戦略的協業契約を締結したと発表した。
日立は、2021年からアマゾン ウェブ サービス ジャパンと共同でソリューション開発に取り組んでいる。2022年には日立のストレージと「Amazon Web Services」(AWS)の「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)にまたがる共通データ運用管理と、日立のストレージとAWS間の接続パスを冗長化。2023年には「EverFlex from Hitachi」でパブリッククラウド連携の中核となる「Hitachi Virtual Storage Platform on cloud」(VSP on cloud)を提供するなど、ミッションクリティカルなハイブリッドクラウドに向けたソリューションの協創に注力してきた。
日立とAWSが締結した協業契約のポイントは、主に3つ。
両社のサービスを組み合わせ、ハイブリッドクラウド環境での自由で安全なデータ活用を目指す。オンプレミスの日立ストレージと、AWS上のVSP on cloudを使って「共通データ基盤の運用効率化、自動化に向けた取り組みを推進する」としている。
今後は、日立の「JP1 Cloud Service」と、AWSの「Amazon Bedrock」を連携させて、ユーザーが生成AI(人工知能)と対話形式で障害発生原因の特定や対応策の検討を実施し、「迅速に問題解決できるようにすることを目指す」という。
両社共通の事業目標を掲げ、共同プロモーションやセミナーなどを実施して、企業システムのモダナイゼーションやAWS利用を加速させる。日立は「ハイブリッドクラウドソリューションの市場への展開を、AWSと共同で実施する」と述べている。
AWS認定資格を取得した日立の技術者を、現在の2000人規模から4000人規模に強化する。日立が開発、提供するハイブリッドクラウドソリューションと、マネージドサービス「Hitachi Application Reliability Centers」(HARC)を使い、同資格を保有する技術者が、既存システムのモダナイゼーションやAWSサービスの導入から運用に至るまで、さまざまな課題の解決を支援するという。
日立は、この協業契約に基づいて、2024年4月から3年間にわたって顧客企業のシステムモダナイゼーションとクラウド移行の推進を目的に、これまで日立とAWSが協創してきたハイブリッドクラウド向けソリューションの開発の強化に取り組む。AWSは、これらのソリューション展開を加速させるために技術面で支援する。
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