「今いる人材で何とかしよう」と考える企業からの注目が集まる ITRが人材管理市場規模予測を発表：人材管理にも「AIによる自動化の波」

ITRは、国内人材管理市場規模の推移と予測を発表した。2022年度の売上金額は、対前年度比30.7％増の215億4000万円。2023年度は同28.8％増。2022〜2027年度の年平均成長率を19.6％と見込み、2027年度には500億円超の規模に拡大すると予測する。

[＠IT]

　アイ・ティ・アール（ITR）は2024年5月9日、国内人材管理市場規模の推移と予測を発表した。2022年度の売上金額は、対2021年度比で30.7ポイント増の215億4000万円だった。

2021〜2027年の国内人材管理市場規模予測（提供：ITR）

2022〜2027年度のCAGRは19.6％と予測

　ITRによると、優秀な人材の確保が困難になりつつあることを背景に、限られた人材での生産性向上や人的資本経営に着目した人材戦略から、人材管理製品／サービスを利用する企業が増えているという。

　2022年度の同市場は、6割以上のベンダーが売り上げを対2021年度比で20ポイント以上拡大した。特に、市場に影響力を持つ上位3ベンダーが同30ポイントを超える高い伸びを示し、市場の成長をけん引した。ITRは「2023年度は伸びが若干鈍化するベンダーがあるものの、引き続き上位ベンダーが堅調に推移する」とみている。2022〜2027年度の年平均成長率（CAGR）を19.6％と見込み、2027年度には500億円超の規模に拡大すると予測する。

　ITRの平井明夫氏（リサーチフェロー）は、「人材管理分野でも、業務の自動化や人材発掘などを目的としたAI（人工知能）技術の利用が始まっている。AIによる予測、推論の精度向上には、関連する情報を一元的に統合管理するデータベースの整備が不可欠だ。これを実現する人材管理システムの重要性は今後さらに増大する」と述べている。