Backblazeは米国企業におけるデータのバックアップの実施状況などを調査したレポート「2024 State of the Backup」を発表した。データのバックアップ手段として何を利用しているのか、どれくらいの頻度でバックアップからデータを復元しているのかなどを明らかにしている。
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Backblazeは2024年6月11日(米国時間)、米国企業におけるバックアップの実施状況などを調査したレポート「2024 State of the Backup」を発表した。
同レポートは、Backblazeが調査会社Harris Pollと協力して2024年4月30日〜5月8日にかけて実施した、米国企業のITリーダー300人を対象とした調査結果に基づくものだ。
レポートのハイライトは以下の通り。
データの遠隔バックアップとして最も使用されているサービス/ソフトウェアは、「クラウドドライブ」(84%)であり、「クラウド同期」(70%)、「クラウドバックアップ」(64%)と続いた。
Backblazeは「クラウドドライブはファイルの保存と共有ができるものの、ファイル破損や誤削除から保護できない可能性がある。また、クラウド同期サービスは複数のデバイス間でファイルを自動更新するため、データの変更や削除も同期され、意図しないデータ損失につながるリスクがある。最小限の機能のみを提供しているクラウドドライブの場合、ビジネスの継続性やコンプライアンスといった要件を満たさないことがある」と述べている。
ITリーダーの39%は、企業が少なくとも月に一度はバックアップからデータを復元する必要があると回答した。
復元する理由として最も多かったのは「アーカイブまたは削除されたデータに関する要望」(62%)であり、「バックアップソフトウェアの障害」(54%)、「ハードドライブの障害」(52%)、「サイバー攻撃」(49%)と続いた。
データ損失を経験した企業のうち、バックアップからデータを全て復元できたのは42%で、58%はデータをある程度または完全に復元できなかったという。内訳は、半分より多くデータを復元できたのが39%、半分程度だったのが7%、半分に満たなかったのが9%、復元できなかったのが3%だった。
Backblazeは「進化するビジネス要件に対応する革新的で堅牢(けんろう)なバックアップソリューションの必要性を強調するものだ。データ量が増加し続け、サイバー脅威がますます巧妙になるにつれ、信頼性が高く、安全で、使い勝手の良いバックアップシステムに対する需要は高まっている。多くの企業がデータ復元に直面している課題を踏まえると、データ管理戦略や、バックアップ計画を一新し、適切なバックアップツールを活用することの重要性について、教育と啓発も推進する必要がある」と結論付けている。
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