プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2024年7月版が公開された。Pythonが首位を独走する中、Rustが過去最高の13位を占めた。
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ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2024年7月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示す指標で、同社が毎月1回更新している。
2024年7月のランキングでは「Python」が16.12%のレーティングで首位を堅持し、6月に「C」を抜いて史上初めて2位につけた「C++」が、引き続き2位を占めた(10.34%)。Cは7月も3位となった(9.48%)。
4〜6位は2023年7月以降、順位変動がなく、「Java」(8.59%)、「C#」(6.72%)、「JavaScript」(3.79%)と続いた。
上位20言語のレーティングの前年同月との変動を見ると、1ポイント以上の上昇を示したのは、Python(2.70ポイント増)と「Go」(1.12ポイント増)のみだった。Goは6月に続いて過去最高の7位につけている。
また、7月のランキングでは、「Rust」が過去最高の13位を占めた。Rustはこれまで17位の壁を破れずにいた(2023年5〜9月、2024年3月、6月に17位を記録)。
4月のランキングで20年以上ぶりにトップ10に入り(10位)、6月まで3カ月連続で10位を維持した「Fortran」も、7月に順位を1つ上げて9位となった。
TIOBE Software CEOのポール・ジャンセン氏は、Rustが過去最高位を記録したことを受けて次のように述べている。「パフォーマンスの高い言語であるRustがついに動き出した。米国政府が最近、『セキュリティ上の理由から、C/C++からRustへの移行を推奨する』と発表したことが追い風となっている。コミュニティーが成長し、サードパーティーのライブラリやツールも増えている。つまり、RustはTIOBEインデックスでトップ10に入る準備が整いつつある」
TIOBE Softwareは21〜50位のランキングも公開している。
51〜100位のプログラミング言語については、順位の差が比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。
「ABC」「ActionScript」「Algol」「Apex」「APL」「ATLAS」「AutoLISP」「Ballerina」「bc」「Carbon」「CFML」「Chapel」「CHILL」「CLIPS」「Clojure」「Crystal」「cT」「Curl」「DiBOL」「Eiffel」「Elixir」「Erlang」「F#」「Forth」「Groovy」「Icon」「Inform」「Io」「J」「JScript」「LabVIEW」「Modula-2」「Mojo」「NATURAL」「Nim」「OCaml」「OpenCL」「OpenEdge ABL」「PL/I」「PostScript」「Q」「Racket」「Ring」「S」「Smalltalk」「SPARK」「Tcl」「VHDL」「Wolfram」「X++」
TIOBEインデックスの評価は、世界中の熟練エンジニアや学習コース、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。算出にはGoogle、Amazon.com、Wikipedia、Bing、その他20以上の人気Webサイトが使われている。
なお、TIOBEインデックスは、「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
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