「C++」が初めて「C」を抜いて2位に プログラミング言語の人気ランキング2024年6月版「TIOBEインデックス」発表

プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2024年6月版が公開された。Pythonの首位独走が続く中、C++が初めてCを抜いて2位につけた。

» 2024年06月13日 08時00分 公開
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 ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2024年6月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示す指標で、同社が毎月1回更新している。

レーティングと順位

 2024年6月のランキングでは「Python」が15.39%のレーティングで首位を維持し、「C++」がTIOBEインデックスの作成開始以来初めて、2位につけた(10.03%)。長期にわたって2位を占めてきた「C」は3位に転落した(9.23%)。

 C++は2023年1、2月と同年6月以降、3位を占めていた(2023年3〜5月の3位はJava)。4〜6位は2023年7月以降、順位変動がなく、「Java」(8.40%)、「C#」(6.65%)、「JavaScript」(3.32%)と続いた。

 首位のPythonは2024年4月、2023年1月(16.36%)以来の高レーティング(16.41%)を記録し、2位とのレーティング差は2024年に入って広がる一方だったが、6月は5ポイント台まで縮小した。

 上位20言語のレーティングの前年同月との変動を見ると、Pythonが唯一、1ポイント以上の上昇(2.93ポイント増)を示した。2〜4位のC++、C、Javaは、いずれも大幅に下落している(それぞれ1.33ポイント減、3.14ポイント減、2.88ポイント減)。

 また、6月のランキングでは、「Go」が4月以来2カ月ぶりに過去最高の7位につけた他、「Rust」も2023年5〜9月、2024年3月に続いて過去最高の17位を占めた。

C++の強み

 TIOBE Software CEOのポール・ジャンセン氏は、TIOBEインデックスでC++が初めてCの順位を上回ったことを受けて、C++について次のようにコメントした。「C++は2011年以降、2014年、2017年、2020年と3年ごとにアップデートされてきた。ほとんどのコンパイラやエンジニアは、このペースになかなかついていけないが、こうした言語の進化は成功だと考えられている」

 「C++の主な長所は、パフォーマンスとスケーラビリティだ。短所は、物事を成し遂げる方法が多いことで、これは長い歴史と、後方互換性の確保を目指してきたことに起因する。C++は組み込みシステム、ゲーム開発、金融取引ソフトウェアなどで多用されている」(ジャンセン氏)

プログラミング言語ランキング1〜20位のまとめ

 公開されたTIOBEインデックスの1〜20位は次の通り。

TIOBEインデックス(2024年6月版)の1〜20位(提供:TIOBE Software)
TIOBEインデックス1〜10位の推移(提供:TIOBE Software)

 TIOBE Softwareは21〜50位のランキングも公開している。

TIOBEインデックス(2024年6月版)の21〜50位(提供:TIOBE Software)

 51〜100位のプログラミング言語については、順位の差が比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。

 「ABC」「ActionScript」「Apex」「APL」「AutoLISP」「bc」「CFML」「Chapel」「CHILL」「CLIPS」「Clojure」「COMAL」「Crystal」「cT」「Elixir」「Erlang」「Forth」「Groovy」「Hack」「Icon」「Inform」「Io」「J」「JScript」「Ladder Logic」「Lingo」「LPC」「M4」「MEL」「Modula-2」「Mojo」「NATURAL」「NetLogo」「OpenCL」「OpenEdge ABL」「PowerScript」「Programming Without Coding Technology」「Q」「RPG」「Smalltalk」「Smarty」「SNOBOL」「SPARK」「SQR」「VHDL」「WebDNA」「Wolfram」「X++」「X10」「yacc」

TIOBEインデックスは言語の優劣を示すものではない

 TIOBEインデックスの評価は、世界中の熟練エンジニアや学習コース、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。算出にはGoogle、Amazon.com、Wikipedia、Bing、その他20以上の人気Webサイトが使われている。

 なお、TIOBEインデックスは、「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。

 同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。

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