チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは2024年7月の世界脅威インデックスを発表した。CrowdStrikeのアップデート問題に乗じてマルウェアが配布されたことを確認している。
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チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは2024年8月22日、同年7月の「Global Threat Index」(世界脅威インデックス)を発表した。
世界脅威インデックスには、同社の脅威インテリジェンス部門であるチェック・ポイント・リサーチ(Check Point Research:CPR)が確認した脅威の情報が記載されている。2024年7月の世界脅威インデックスでは、CrowdStrikeのアップデート問題に乗じたマルウェア「Remcos」の配布キャンペーンと、同じくマルウェアの「FakeUpdates」による一連の新たな手口を確認した点が取り上げられている。
Remcosマルウェアのキャンペーンは、Windows向けエンドポイントセキュリティ製品「CrowdStrike Falcon」で発生した問題を悪用し、悪意のあるzipファイル「crowdstrike-hotfix.zip」を配布するというもの。このzipファイルにはRemcosを起動する「HijackLoader」が含まれている。このキャンペーンは、指示系統にスペイン語を用いる企業を標的としており、フィッシング攻撃を目的とした偽ドメインが作成されていた。
FakeUpdatesはJavaScriptで作成されたダウンローダーで、ペイロードが実行される前にディスクにペイロードを書き込み、セキュリティ製品による検知を回避する。確認された新たな手口とは、侵害されたWebサイトを訪れるユーザーに対して、ブラウザのアップデートを求める偽の指示を表示するというもの。この指示は、「AsyncRAT」などのリモートアクセス型トロイの木馬(RAT)をインストールさせるという。
Check Point Software Technologiesののマヤ・ホロウィッツ氏(リサーチ担当バイスプレジデント)は、「セキュリティソフトウェアのアップデートを悪用し、Remcosマルウェアが配布された事例によって、マルウェアの展開のためには利用できる機会を逃さないサイバー犯罪者の性質が浮き彫りとなった。強固なエンドポイント保護、高い警戒による監視、ユーザー教育などによって、ますます大規模化するサイバー攻撃の猛威を軽減することが必要だ」と述べている。
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