フォーティネットは、「OTサイバーセキュリティに関する現状レポート」を発表した。OTセキュリティ態勢の強化はこの1年で前進したものの、依然として課題が残されているようだ。
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フォーティネットジャパンは2024年9月2日、「OT(Operational Technology)サイバーセキュリティに関する現状レポート」を発表した。これは、OTに責任を負っているプロフェッショナルを対象に実施し、550人以上から有効回答を得た。それによると、OTセキュリティ態勢の強化はこの1年で前進したものの、改善すべき重要な領域が依然残されていることが明らかになった。
OTシステムへのサイバー攻撃経験を見ると、2024年にOTシステムに関連する侵入を経験したと回答した割合は73%で、2023年調査時の49%から大きく増加した。さらに、31%が「6回以上の侵入を経験した」と回答しており、この割合も2023年調査時の11%から大幅に増えている。OTへの侵入がもたらした負の影響も全項目で悪化した。最も多かった回答は「生産性に影響した」で55%(複数回答)。「ブランド価値が低下した」は52%。「ビジネスクリティカルなデータや知的財産が損失した」は43%で、これらの回答率は2023年調査と比べて顕著な増加傾向を示した。
脅威の高度化に伴い、多くの企業のシステムに死角が残されていることも明らかになった。中央一元管理型のサイバーセキュリティオペレーションで「OTシステムを完全に可視化できている」と回答した割合は、2023年調査の10%から5%に半減した。一方、回答者の56%が「ランサムウェアやワイパー(システムやデータを意図的に破壊することを目的としたマルウェア)の侵入を経験した」と回答しており、フォーティネットジャパンは「ネットワークの可視性や検知の機能には改善の余地がある」と分析している。
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