Microsoftが提供する製品やサービスには、サポート期間が設定されており、サポート期間中は更新プログラムなどの提供が行われる。しかし、サポート期限が過ぎると、セキュリティ更新プログラムの提供が止まり、使い続けることが危険な状態となる。サポート期間は製品ごとに設定されており、若干分かりにくい。そこで、2025年末までにサポートが終了する主な製品を調べてみた。
対象:Microsoft製品
「Windows 10」のサポート終了日である2025年10月14日が近づきつつある。また意外と忘れがちだが、永続版(パッケージ版)の「Microsoft Office 2016/2019」のサポート終了も同日の2025年10月14日である。
さらにWindows 11でも、年1回の機能更新プログラムを適用し続けないと、サポートが終了してしまうので注意が必要だ。Windows 11 Home/Proの2022 Update(バージョン22H2)は、2024年10月8日にサポートが終了している。
サポートが終了すると、セキュリティ更新プログラムも提供されなくなり、攻撃されやすい脆弱(ぜいじゃく)性を解消できなくなる。自分がどのバージョンを利用しているかどうかを把握していないと、サポートが終了したままの危険な状態で使い続けてしまう可能性があるわけだ。
そこで本Tech TIPSでは、Windows OSと主なMicrosoft製品のサポート期限について整理する。
Windows 10は、「2022 Update(バージョン22H2)」が最後の機能更新プログラムとなっており、以降、大型の更新プログラムの提供はない。後は、サポート終了日である2025年10月14日を待つだけとなっている。
一方、Windows 11の場合、毎年の秋(10月前後)に機能更新プログラムが提供されており、その機能更新プログラムを適用することで、24カ月(Home/Pro)または36カ月(Enterprise/Education)サポート期間が延長される。エディションとバージョンによってサポート終了日が異なるので注意が必要だ。
Tech TIPS「『Windows 11 2022 Update』はまだ入れたくないので通知を非表示にする」で紹介したグループポリシーやレジストリを使ってバージョンを固定している場合は、忘れずに設定を変更し、サポート期間内にあるバージョンにアップデートするようにしよう。
Windows 10/11の一般リリース版のサポート終了日をバージョンごとに下図にまとめてみた。これを参考にWindows 10/11搭載PCのライフサイクルを検討してほしい。
Enterpriseエディションには、「長期サービスブランチ(LTSB:Long-Term Servicing Branch)」「長期サービスチャネル(LTSC:Long-Term Servicing Channel)」という長期間のサポートが約束されているサービスモデルがある。これらではバージョンを上げることなく、通常のWindows 10以上のサポート期間が提供される。
延長サポートまで含めると、Windows 10 October 2018 Update(バージョン1809)が最長で、2029年1月9日までとなっている。
一方、その後にリリースされたWindows 10 2021 Update(バージョン21H2)では、延長サポートが提供されない分、サポート期限が2027年1月12日と短縮されているので注意が必要だ。
永続版のOfficeは、これまで5年間のメインストリームサポート、5年間の延長サポートが提供されてきた。しかし、段階的に延長サポートが短くなっており、Office 2021からはメインストリームサポートの5年間のみとなり、大幅にサポート期間が短くなっている(詳しくは、Tech TIPS「失敗しないMicrosoft Officeライセンスの買い方」参照のこと)。
主なOffice製品 | サポート終了日 |
---|---|
Microsoft Office 2016 | 2025年10月14日 |
Access 2016 | 2025年10月14日 |
Excel 2016 | 2025年10月14日 |
OneNote 2016 | 2025年10月14日 |
Outlook 2016 | 2025年10月14日 |
PowerPoint 2016 | 2025年10月14日 |
Project 2016 | 2025年10月14日 |
Publisher 2016 | 2025年10月14日 |
Visio 2016 | 2025年10月14日 |
Word 2016 | 2025年10月14日 |
Microsoft Office 2019 | 2025年10月14日 |
Access 2019 | 2025年10月14日 |
Excel 2019 | 2025年10月14日 |
Outlook 2019 | 2025年10月14日 |
PowerPoint 2019 | 2025年10月14日 |
Project 2019 | 2025年10月14日 |
Publisher 2019 | 2025年10月14日 |
Visio 2019 | 2025年10月14日 |
Word 2019 | 2025年10月14日 |
2025年にサポートが終了する主なOffice製品 |
特に、プリインストール版のOfficeを使用している場合は、Office 2021の提供後も、Office 2019がインストールされた状態でPCが販売されている可能性があるので、自分がどのバージョンを使っているのか確認した方がよい。
この他、Azureの幾つかのサービスやMicrosoft SQL Server 2012(拡張セキュリティ更新プログラム3年目)、SQL Server 2014(拡張セキュリティ更新プログラム1年目)、Exchange Server 2016/2019などのサーバ製品のサポートも終了予定なので、利用していないかどうかを確認するとよい。
2025年にサポートが終了する主なMicrosoft製品は、下表の通りだ。
主なMicrosoft製品 | サポート終了日 |
---|---|
Azure Database for MariaDB | 2025年9月19日 |
Azure Basic Load Balancer | 2025年9月30日 |
Azure HPC Cache | 2025年9月30日 |
Azure Service Map | 2025年9月30日 |
Azureアンマネージドディスク | 2025年9月30日 |
Azure vFXT | 2025年9月30日 |
SQL Server 2012(拡張セキュリティ更新プログラム3年目) | 2025年7月8日 |
SQL Server 2014(拡張セキュリティ更新プログラム1年目) | 2025年7月8日 |
Visual Studio 2022、バージョン17.8(LTSCチャネル) | 2025年7月8日 |
Exchange Server 2016 | 2025年10月14日 |
Exchange Server 2019 | 2025年10月14日 |
Skype for Business 2016 | 2025年10月14日 |
Skype for Business 2019 | 2025年10月14日 |
Skype for Business Server 2015 | 2025年10月14日 |
Skype for Business Server 2019 | 2025年10月14日 |
Visual Studio 2015 | 2025年10月14日 |
Visual Studio Team Foundation Server 2015 | 2025年10月14日 |
Windows Server 2012(拡張セキュリティ更新プログラム2年目) | 2025年10月14日 |
Windows Server 2012 R2(拡張セキュリティ更新プログラム2年目) | 2025年10月14日 |
Windows Server 半期チャネル、バージョン23H2 | 2025年10月24日 |
2025年にサポートが終了する主なMicrosoft製品 |
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