Microsoftは、PostgreSQLをベースとするNoSQL「DocumentDB」をオープンソースで公開した。NoSQLデータベースにおける標準の確立を通じて、相互運用性の向上を図るとしている。
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Microsoftは2025年1月23日(米国時間)、PostgreSQLベースのNoSQL「DocumentDB」をオープンソースで公開した。ライセンスは「MIT License」となっている。
Microsoftによると、DocumentDBはPostgreSQLの安定性、パフォーマンス、拡張性などの利点を生かしたドキュメントデータベースだ。またDocumentDBを「Azure Cosmos DB for MongoDB」(仮想コア)の基盤技術としても採用しているという。
「これまでNoSQLデータベースはクラウドごとに特化したソリューションが提供されており、標準が存在しなかった。本番環境対応のドキュメントデータストアの需要が高まる中、選択と移行の柔軟性を高める標準も必要となっていた。DocumentDBは、NoSQLデータベースにおける標準を確立し、リレーショナルデータベースにおける『ANSI SQL』のような相互運用性を導入する試みである。これにより、将来的にはNoSQLエンジンの互換性と相互運用性が向上するだろう」と、Microsoftは述べている。
DocumentDBは、データベース操作をサポートするため連携して動作する2つの主要コンポーネントで構成されている。
DocumentDBのコアとなるpg_documentdb_coreは、以下のような特徴を持つという。
「他のNoSQLデータベースプロトコルをPostgreSQLプロトコルに変換するプロトコル変換レイヤーを、pg_documentdb_coreの上に構築することも可能だ」(Microsoft)
Microsoftによると、オープンソースのドキュメントデータストアである「Ferret DB」の最新バージョン(Ferret DB 2.0)のバックエンドに、DocumentDBが採用されているという。
「FerretDB 2.0では、ドキュメントデータベースプロトコルを備えたインタフェースを提供している。DocumentDBを試したいユーザーは、PostgreSQLを通じて直接DocumentDBを操作することもできる」と、Microsoftは述べている。
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