MojoやZigなど高速言語が台頭する中、Pythonの人気が続く理由とは? プログラミング言語ランキング2025年2月版C++が2位に浮上、Pythonは強さを維持

プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2025年2月版が公開された。近年、処理速度の重要性が高まる中で、高速なプログラミング言語の人気が上昇しつつある。C++はランキング2位に浮上し、GoやRustも堅調に順位を上げている。

» 2025年02月25日 08時00分 公開
[@IT]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

 ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2025年2月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示す指標だ。調査対象の全言語を合計して100% とみなしたときに、その言語が占める割合を表しており、同社が毎月1回更新している。

高速な言語が台頭するも、Pythonの人気が根強い理由

 プログラミング言語C++は最近2位に浮上し、Goは安定してトップ10に入り続けている。さらに、Rustは過去最高の1.47%を記録している。また、高速な言語であるMojoとZigは、それぞれ51位と56位にランクインし、トップ50入りを目前にしている。

 これについてTIOBE Software CEOのポール・ジャンセン氏は、高速言語が台頭する中で、「遅い」とされるPythonが人気を獲得している理由について、次のように述べている。「今日のプログラミング言語の人気を左右する要素はパフォーマンスだけではなくなっている。それは、新しいプログラミング言語の『習得のしやすさ』だ。世界は単に数値の高速処理を求めているわけではなく、より多くのプログラマーを必要としている」

 「AIによるアプリケーション開発の完全自動化はまだ実現しておらず、新たなプログラマーの需要は依然として高い。しかし、必要とされるソフトウェアエンジニアの数に対し、卒業するエンジニアの数は不足している。このため、非ソフトウェア系のエンジニアも次々とプログラミングの世界に参入しており、彼らが好む言語はPythonだ。こうした理由から、Pythonの人気が衰えることはないだろう」(ジャンセン氏)

TIOBEインデックス(2025年2月版)の1~20位(提供:TIOBE Software)
TIOBEインデックス1~10位の推移(提供:TIOBE Software)

 TIOBE Softwareは21~50位のランキングも公開している。

TIOBEインデックス(2025年2月版)21~50位(提供:TIOBE Software)

51位~100位のプログラミング言語

 以下のリストは、51位から100位のプログラミング言語を示している。これらの言語のランキング差は比較的小さいため、アルファベット順に列挙するのみとする。

 「ABC」「ActionScript」「Algol」「Alice」「Apex」「APL」「AutoLISP」「CFML」「CHILL」「Clipper」「CLIPS」「Clojure」「Crystal」「Curl」「Elm」「Erlang」「F#」「Forth」「Groovy」「Hack」「Icon」「Inform」「Io」「Jscript」「LabVIEW」「Modula-2」「Mojo」「MQL5」「NATURAL」「Nim」「OCaml」「Occam」「OpenCL」「OpenEdge ABL」「PL/I」「Q」「Raku」「Ring」「Scheme」「Simulink」「Smalltalk」「SPARK」「SPSS」「Stata」「SystemVerilog」「Vala/Genie」「VHDL」「Wolfram」「X++」「Zig」

TIOBEインデックスは言語の優劣を示すものではない

 TIOBEインデックスの評価は、世界中の熟練エンジニアや学習コース、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。算出にはGoogle、Amazon.com、Wikipedia、Bing、その他20以上の人気Webサイトが使われている。

 なお、TIOBEインデックスは、「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。

 同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

Coding Edge 記事ランキング

本日月間

注目のテーマ

4AI by @IT - AIを作り、動かし、守り、生かす
Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。