Rustプロジェクトの調査チームは、プログラミング言語「Rust」の利用状況に関する年次調査「State of Rust 2024」の結果を発表した。
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Rustプロジェクトの調査チームは2025年2月13日(米国時間)、プログラミング言語「Rust」の利用状況に関する年次調査「State of Rust 2024」の結果を発表した。
同調査はRustコミュニティーのRust開発者および愛好者を対象に、2024年12月5日から2024年12月23日まで実施されたアンケートに基づいている(9450人が参加し、7310人が全ての設問に回答した)。回答者の92.5%がRust開発者で、4.1%はRustを利用したことがあるが現在は使っていない。3.3%は、Rustを全く使ったことがない。
この調査は毎年行われており、今回で9回目となる。前回(2023年調査)の回答者の内訳は、Rust開発者が93.4%、Rustを使ったことがあるが、現在は使っていないが3.3%。Rustを全く使ったことがないも3.3%だった。
調査結果のハイライトは以下の通り。
Rustを毎日利用している回答者の割合は、53.4%と増加している(2022年調査は47.3%、2023年調査は49.3%)。
Rustを使用しない理由の1位は「まだ試す機会がない」(70.5%)だった。次いで、「学ぶのが難しい(学習に多くの時間がかかる)」(30.6%)、「他の言語を使うのが好ましいため」(24.6%)だった。
「Rustに関する自身の知識をどのように評価しますか?」という問いに対し、53.5%が、「Rustを使って生産性の高いコードを書くことができる」と回答しており、増加傾向にある(2022年調査は42.3%、2023年調査は47.0%)。
Rust開発者は多様なプラットフォームをターゲットに開発している。
組み込みプラットフォームやモバイルプラットフォームをターゲットとするユーザーが若干増加したものの、それ以外の傾向は2023年調査とほぼ同じだった。
2024年調査からWebAssemblyの項目が「ブラウザ向け」と「それ以外のホスト」に分割された。WebAssemblyはブラウザ向けが23.0%、それ以外のホストが7.7%だった。
Rust開発者がコーディングする際に最も利用しているのは「Visual Studio Code」(56.7%)だ。次いで「vi/vim/neovim」(30.2%)、「Rust Rover」(16.1%)だった。中でも、「Zed」(8.9%)の利用率は大きく増加している(2023年調査は0.7%)。
「業務でRustを使用してコーディングする」と回答した人の割合は38.2%だった。
「自社でRustを本格的に利用している(例えば、本番環境や重要なツールなど)」と回答した人の割合は45.5%(2023年調査から6.8ポイント増)だった。
業務でRustを利用する理由の1位は「比較的正しくバグのないソフトウェアを構築できること」(87.1%)だった。2位は「Rustのパフォーマンス特性」(84.5%)、3位は「セキュリティや安全性などの特徴」(74.8%)だった。
回答者の21.2%は「Rustをすでに知っており、デフォルトの選択肢となっている」とした。
2023年調査と同様、回答者の大部分(82.1%)は「Rustが自社の目標達成に役立った」と回答している。次いで「今後もRustを使用する可能性が高い」(77.9%)、「Rustの採用はコストに見合う価値があった」(65.9%)だった。
技術領域別では、Rustは、サーババックエンド、Webネットワーキングサービス、クラウド技術の開発に特に人気がある。組み込みユースケースでも人気が高まっている。この傾向は2023年調査と変わっていない。
Rust利用における課題で最も多かったのは「コンパイルに時間がかかる」だ。次いで「Rustのデバッグのサポートが不十分」「ディスク使用量が多い」だった。
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