豆腐メンタル流「理不尽との戦い方」仕事が「つまんない」ままでいいの?(130)(2/3 ページ)

» 2025年10月15日 05時00分 公開

「熱量弱め」と「豆腐メンタル」の価値

 ここで、ボクの特性である「熱量弱め」と「豆腐メンタル」について見ていきます。一見するとネガティブに聞こえるかもしれません。しかし、これらは理不尽に対して「消耗しないための強力な武器」です。

 「熱量弱め」をもう少し具体的にすると「内なる静かな炎」です。ボクはあまり外に対して「やるぜ!」と熱量高く説得したり、ガツガツ行動したりするタイプではありません。一方、内側では目標に対して静かに集中し、持続的にエネルギーを注ぎ続けるタイプです。

 なぜ、理不尽の中でも静かに集中し、持続的にエネルギーを注ぎ続けられるのか? それは、「その状況にずっといるのが嫌だから」「何とかしたいから」に他なりません。理不尽な他人にコントロールされ続けてたまるか。

 この「静かなる炎」は、一過性の感情にはあまり左右されず、長期的な戦いにも強いのです。何かしらの目標に対して結果を出すためには、「結局、『地味にコツコツ』が最強なんじゃないか」と、思ったりもします。

 「豆腐メンタル」とは「しなやかな弾力性(レジリエンス)」のことです。鋼の心は、1回の大きな衝撃で折れる可能性があるのに対し、柔らかいものは、衝撃を受けても変形しながら受け止めます。そして、元の形に素早く戻る、高いレジリエンスを持っています。バチバチケンカしに行くのではなく、物事に対して緩やかに挑み、しなやかに回避する能力こそが、豆腐メンタルです。

 実は、ボクは短気な一面もあり、「ここぞ!」というときには戦いに行くこともあります。しかし、短気なボクが反射的にバチバチやり合うのを選ばないのは、心の奥底で「バチバチやるのは大変だし、面倒くさい」と感じているからです。この「面倒くさい」という感覚こそが、豆腐メンタルの防御本能であり、戦略的逃避を選ばせる判断力になっているのです。

豆腐メンタルの特性を強みに変えるんだ

豆腐メンタル流「心の消耗を防ぐ3つのバリアー」

 理不尽な事態に遭遇した直後、私たちの心は最も削られます。ここでは、心の消耗を最小限に抑えるための具体的な「受け流し」技術を紹介します。

技術1:理不尽な感情を「相手の課題」としてフィルタリングする

 理不尽な状況では、感情的な言葉やヒステリックな振る舞いが飛んできます。ここで大切なのは、それらの感情的な言動と、あなた自身の価値を切り離して考えることです。

 相手の怒りや理不尽な態度は、多くの場合、相手側のストレスや八つ当たり、あるいは彼らが抱える問題に起因しています。

 そこで、飛んできた感情的な言葉を自分ごととして受け止めず(自分の中には受け入れず)、「相手のことは相手のこと」「これは相手が抱えている問題であり、私の能力や価値とは関係がない」と心の中で宣言します。こうすることで、理不尽な感情を客観的な「ノイズ」としてフィルタリングできます。

技術2:感情を整える「戦術的フリーズ」

 短気な人ほど、反射的な反応(応戦)は最大の敵です。一瞬の感情で言い返してしまうと、泥沼の戦いになってしまいます。

 そこで、理不尽な要求や強い批判を受けたときは、反射的に行動するのをできるだけ控え、「いったん持ち帰ります」と、物理的、時間的な距離を取ります。

 この「戦術的フリーズ」は、バチバチ体当たりを避けたい豆腐メンタルにとって最大の防御策です。感情が落ち着くまでの時間稼ぎにもなるため、冷静さを取り戻すことにもなります。

技術3:負のエネルギーを目標達成のための燃料に変換する

 理不尽な出来事で生まれた怒りや消耗感は負のエネルギーです。これを相手への恨みのような形で返すと、イライラするばかりか、エネルギーを無駄に消費してしまいます。

 そこで、生産的な行動への変換を試みます。

 例えば、ボクは毎日ポッドキャストやテキストで情報発信をしています。理不尽なことがあったとき「そこから学んだことは何か?」「自分ならどうするか?」「次に生かすとしたら、何をするか?」など、自分にとってプラスとなる「論理的なタスク」に意識を切り替えます。そして、それをネタにしてコンテンツ(原稿)を作ります。

 こうすることで、理不尽さによって生じた負のエネルギーを、目標達成のための静かなる燃料に変えています。

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