フリーランス案件サイトを運営するINSTANTROOMが、ITエンジニアの平均年収や案件数、テレワーク比率などを調査した。
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エンジニア向けのインターネット求人サービスを展開するINSTANTROOMは2025年12月2日、IT職種別の平均年収や案件数、テレワーク比率などをまとめた最新調査結果を発表した。調査は、同社が運営するフリーランス向け求人サービス「フリーランスボード」に掲載された実際の案件データを基にしている。
レポートでは、プロジェクトマネジャーやサーバサイドエンジニア、セキュリティエンジニア、クラウドエンジニアなど主要20職種について、月額単価や年収、案件数などを紹介。中でも今回は、アプリ開発の案件状況についても詳細に解説している。
まず、IT職種20種を対象にした年収ランキングは次の通り。
このランキングは、フリーランスボードに掲載された4万2405件のアプリエンジニア求人を対象に、平均年収や案件数の構成比、テレワーク比率、市場で求められるスキルなどを分析したものとなる。調査対象期間は2024年2月1日から2025年12月2日まで。
PMO(プロジェクトマネジメントオフィサー)が1127万円(月額93.9万円)、エンジニアリングマネジャーが1096万円(月額91.3万円)、プロジェクトマネジャーが1067万円(月額88.9万円)、機械学習エンジニアが1011万円(月額84.2万円)などで1000万円を超えている。
その他、データサイエンティストが999万円(月額83.2万円)、AI(人工知能)エンジニアが992万円(82.6万円)と1000万円に迫り、セキュリティエンジニアは969万円(80.7万円)、クラウドエンジニアは942万円(78.5万円)、サーバサイドエンジニアは918万円(76.5万円)などとなっている。
今回の調査で焦点を当てているアプリエンジニアは915万円(76.2万円)で、IT職種別のランキングでは19位となった。ITコンサルタントやプロジェクトマネジャーなどの上位職種と比べるとやや控えめな水準だが、モバイルアプリやWebアプリの需要拡大を背景に、安定した単価を維持している。
2025年12月時点で、アプリエンジニア案件はフリーランスボードに掲載されたIT職種全体のうち12.60%を占め、案件数ランキングでは4位となった。平均月額単価は76万2000円と比較的高水準で推移しており、バックエンドエンジニアやサーバサイドエンジニアに次ぐ水準ながら、案件数と単価のバランスに優れた職種と位置付けられている。
案件構成比が12.60%と高い背景には、レポートではモバイルアプリとWebアプリの両領域でサービス開発ニーズが拡大していることがある。アプリエンジニアはユーザーが日常的に触れる画面や操作体験を設計し、プラットフォームごとの特性を生かした価値提供を担う役割であり、近年は企画段階からプロダクト開発に関わるケースも増えているという。
アプリエンジニア向けフリーランス案件・求人における2025年12月時点の働き方の内訳は、フルリモートが28.9%、一部リモートが53.4%、常駐が17.7%となった。フルリモートと一部リモートを合算したリモート案件比率は82.3%で、在宅を前提とした働き方が引き続き多数派となっている。
アプリエンジニアは、スマートフォンアプリやWebアプリ、業務用アプリなど、ユーザーが直接触れるソフトウェアの企画から設計、実装、テスト、運用までを一貫して担う職種と位置付けられている。
レポートは、UI(ユーザーインタフェース)や操作性を意識した改善サイクルを高速で回すことが求められ、アジャイル開発やABテスト、アクセス解析ツールなどを活用しながら、継続的に機能追加や品質改善を行えるエンジニアの市場価値が高いと指摘している。使われる技術では、プログラミング言語としては「Swift」「Kotlin」「Java」、フレームワークでは「Flutter」や「React Native」などがある他、バックエンドやクラウドと連携した総合的な設計力とバランス感覚も求められるとしている。
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