GoogleはAIソフトウェア開発に関する調査レポートを公開し、AIの導入効果を増幅させる7つの基礎能力を明らかにした。
Googleは2025年12月10日(米国時間)、AI(人工知能)支援ソフトウェア開発に関する最新の調査結果に基づくレポート「DORA AI Capabilities Model」を公開した。Google Cloudの調査研究プロジェクト「DORA」(DevOps Research and Assessment)は、Googleが買収する以前から、約10年にわたりDevOps(開発と運用の融合)の研究と調査を行っている。
DORAのレポートは、AI支援開発には組織の強みを増幅させる半面、機能不全をも増幅させる側面があり、単にツールを導入するだけでは成功が保証されない実態があると指摘。その上で、約5000人の回答を分析した結果として、特にAI活用の成果を左右する能力があると説明している。
Googleの調査では、AI支援開発の成果を左右する以下7つの能力が特定された。
AI利用に関する指針が曖昧だと、開発現場にはリスクや不安が生じる。明確なポリシーを策定し周知することで、開発者が効果的に実験を行える心理的安全性が確保される。
AIの出力精度は学習元となるデータの質に依存する。高品質かつアクセス可能で、統合された内部データへの投資は、AIがもたらすメリットを大幅に拡大させる要因となる。
単なるプロンプト入力の枠を超え、社内のドキュメントやコードベースにAIツールを安全に接続する「コンテキストエンジニアリング」の実装が、実用性を高める鍵となる。
AIによるコード生成の量と速度が増す中で、バージョン管理は重要なセーフティーネットとなる。頻繁なコミットと堅牢(けんろう)なロールバック機能が、開発の安定性を支える。
AIは巨大なコードブロックを容易に生成するが、これはレビューやテストを困難にする。あえて小さな単位でバッチ処理を進める規律を徹底することで、スピードを製品の安定性に変換できる。
ユーザーのニーズを最重要指針として常に意識することが不可欠だ。ユーザー視点が欠けたチームがAIを導入すると、誤った方向に加速し、かえって組織に害を及ぼすリスクがある。
自動化され、セキュリティが確保された標準開発基盤を提供することで、個人の生産性向上が下流工程のボトルネックで相殺されるのを防ぎ、組織全体でのスケールを可能にする。
Googleのレポートは、AI導入を「組織変革」だと位置付けた上で、AI導入による成果は、ツールからではなく、それを生かすシステムや仕組みへの投資から得られるものだと指摘している。
「コードを書く」から「意図を説明する」へ AIエージェントが変えたソフトウェア開発
AIがコードを書く時代、IT/AIエンジニアはどうなる? 2026年に求められる4つの役割とは
OpenAIが過去1年を分析、エンジニアから非技術職まで“AIの時短効果”が広がるCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.