Windows Admin Center最新版「バージョン2511」、ベストなインストール方法は?:Microsoft Azure最新機能フォローアップ(226)

2025年12月に「Windows Admin Center」の最新版「バージョン2511」がリリースされました。今回は、WAC 2511のインストールについて、どの方法がベストの選択となるのか詳しく見ていきます。

» 2026年01月30日 05時00分 公開
[指崎則夫,デル・テクノロジーズ株式会社]

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WAC 2511で何が変わったのか?

 Microsoftは2025年12月11日(米国時間)、「Windows Admin Center」(WAC)の最新版となる「バージョン2511」(以下、WAC 2511)を正式リリースしました。

 WACは「Windows Server」「Windows 11」の他、Windows Serverと「Microsoft Azure」のハイブリッドクラウド環境、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ「Azure Local」(旧称:Azure Stack HCI)のセットアップ/構成/管理に対応したWebベースの管理ツールです(「Microsoft Edge」「Google Chrome」で利用可能)。

 最新版となるWAC 2511で新しくなった点は以下の通りです。

  • プラットフォームとインストーラーの改善
  • 高可用性(HA)構成の復活
  • 拡張機能の更新
  • パートナーエコシステム

 今回は、上記の「プラットフォームとインストーラーの改善」からWAC 2511のインストール/セットアップ方法を詳しく解説します。

WAC 2511のインストール/セットアップ方法は3種類

 まずはWAC 2511に用意されているインストール/セットアップ方法「サイレントインストール」「簡易セットアップ」「カスタムセットアップ」の各パラメーターを比較してみました(表1)。

画面番号 ウィザード画面名 パラメーター サイレントインストール 簡易セットアップ カスタムセットアップ
1 ライセンス条項とプライバシーへの同意 ・これらの条項に同意し、プライバシーに関する声明を理解します
・これらの条項に同意しません
― ○ ○
2 インストールモードの選択 ・簡易セットアップ
・カスタムセットアップ
― ○ ○
3 ネットワークアクセス ・Localhost アクセスのみ
・リモートアクセス。コンピューター名またはFQDN(完全修飾ドメイン名)を使用して、他デバイスのWACにアクセスします
― ― ○
4 ログイン認証/承認の選択 ・HTMLフォームログイン
・Windows認証(NTLM〈New Technology LAN Manager〉またはKerberos)
― ― ○
5 ポート番号 外部ポート ○ ― ○
6 TLS(Transport Layer Security)証明書の選択 ・プレインストールされたTLS証明書を使用する
・自己署名証明書を生成します(有効期限は60日)
― ○ ○
7 TLS証明書の拇印(ぼいん) TLS証明書の拇印の選択 ○ ○ ○
8 完全修飾ドメイン名 FQDN ― ― ○
9 信頼されたホスト ・任意のコンピューターへのアクセスを許可する
・信頼できるドメインコンピューターのみへのアクセスを許可する
― ― ○
10 WinRM(Windows Remote Management) over HTTPS ・HTTP。既定の通信メカニズム
・WinRM over HTTPS
― ― ○
11 自動更新 ・更新プログラムを自動的にインストールする(おすすめ)
・ダウンロードまたはインストールせずに利用可能な更新プログラムを通知する
・自動更新を無効にする
― ○ ○
12 診断データをMicrosoftに送信する ・必須診断データ
・必須の診断データとオプションの診断データ
― ○ ○
13 インストール準備完了 ― ― ○ ○
14 Windows Admin Center(v2)セットアップウィザードの完了 Windows Admin Centerの起動:インストール対象のURLが表示されます ― ○ ○
※太字箇所は、完了画面を表す

WAC 2511の「サイレントインストール」を確認する

 上記の表1だけでは、WAC 2511のサイレントインストールがどのように実施されるのか分かりにくいと思います。そこで、以下のインストールオプションの指定方法による挙動の違いを以降で詳しく説明していきます。

インストールオプション

  • /Silent
  • /VerySilent
  • /HTTPSPortNumber
  • /CertificateThumbprint

■/HTTPSPortNumberと/CertificateThumbprintのみを指定した場合

 WAC 2511のインストールオプションで「/HTTPSPortNumber」「/CertificateThumbprint」のみを指定して(すなわち「/Silent」および「/VerySilent」を指定しない)、インストーラーを起動します。

 この場合は、セットアップウィザードのパラメーター指定は省略されず、通常通り「Windows Admin Centerセットアップウィザード」が起動します。

 「ライセンス条項とプライバシーに関する声明」を承諾して進めます。

 「インストールモードの選択」画面では、「簡易セットアップ」を選択します。

 「TLS証明書の選択」画面では、「プレインストールされたTLS証明書を利用する」を選択します。

 /CertificateThumbprintで指定したインストール済みのTLS証明書が選択された状態となりました。次へ進めます。

 「自動更新」画面では、「更新プログラムを自動的にインストールする(おすすめ)」を選択します。

 「診断データをMicrosoftへ送信する」画面では、「必須診断データ」を選択します。

 ここまでのウィザード操作が完了すると、セットアップのサマリーが表示されます。セットアップウィザードでは指定しなかった外部ポートが「443」になっていることが確認できます。通常の簡易セットアップでは外部ポートを指定できないので(これについては後述)、/HTTPSPortNumberで指定されたポート番号であると判断できます。

 TLS証明書は、先ほど指定した通りであることが確認できます。

 サマリーを確認後、「インストール」ボタンをクリックしてしばらくするとセットアップは完了です。

 「Windows Admin Center(v2)セットアップウィザードの完了」画面で、「完了」ボタンをクリックすると、セットアップしたホストでブラウザが起動します。その際、httpsかつポート番号の指定が省略されていることが確認できます。

 また、WAC 2511をセットアップしたホストとは別ホストから外部ポートでのアクセスが確認できました。

■/HTTPSPortNumber、/CertificateThumbprint、/Silentを指定した場合

 WAC 2511のサイレントインストールで「/Silent」「/HTTPSPortNumber」「/CertificateThumbprint」を指定した場合は、パラメーター指定画面がスキップされてインストール処理のみが表示されます。以下のように、コマンドラインからセットアップを実行します。

 しばらくすると、セットアップが進行している画面が表示されます。「タスクマネージャー」でセットアップのプロセスが動作している様子が以下の画面で分かるでしょう。

 完了画面は表示されずに、セットアップが終了します。その後、デフォルト(既定)のブラウザが起動してWACの認証画面が表示されます。

■/HTTPSPortNumber、/CertificateThumbprint、/VerySilentを指定した場合

 WAC 2511のサイレントインストールで「/VerySilent」「/HTTPSPortNumber」「/CertificateThumbprint」を指定した場合は、全画面がスキップされて“完全にサイレント”でセットアップが進行します。

 セットアップが完了すると、デフォルトのブラウザが起動してWACの認証画面が表示されます。

WAC 2511の「簡易セットアップ」を確認する

 次に、WAC 2511の「簡易セットアップ」(Express Setup)ではどのようにインストールが進むかを確認していきます。WAC 2511のセットアッププログラムを起動すると、「Windows Admin Centerセットアップウィザード」が起動します。

 「ライセンス条項とプライバシーに関する声明」画面では、「これらの条項に同意し、プライバシーに関する声明を理解します」にチェックを入れて進めます。「インストールモードの選択」画面では、「簡易セットアップ」を選択してセットアップを進めます。

 「TLS証明書の選択」画面では、「プレインストールされたTLS証明書を利用する」オプションを選択します。

 この状態ではTLS証明書は未指定となっています。

 ここでプルダウンメニューをクリックするとインストール済みのTLS証明書が表示されるので、こちらを選択して次へ進めます。

 「自動更新」画面では、「更新プログラムを自動的にインストールする(おすすめ)」を選択して次へ進めます。「診断データをMicrosoftに送信する」画面では、「必須診断データ」が選択された状態で次へ進めます。

 ここまでのウィザード操作が完了すると、セットアップのサマリーが表示されます。外部ポートが未指定であることが確認できます。

 TLS証明書の指定は、先ほど指定した通りです。

 最後に「インストール」ボタンをクリックしてしばらくすると、セットアップは完了です。ここでも外部ポートの指定がないことが確認できます。セットアップウィザードで「完了」ボタンをクリックすると、セットアップしたホストでブラウザが起動します。その際、「6600」がポート番号になっていることを確認できました。

 なお、セットアップ完了後、別ホストから「6600」ポートを指定して接続を試みましたが、接続に失敗しました。以上のことから、WAC 2511の簡易セットアップは“ローカルホスト用”に構成されており、外部からのアクセスはできないと判断しました。

WAC 2511の「カスタムセットアップ」を確認する

 最後にWAC 2511の「カスタムセットアップ」では、どのようにインストールされるかを見ていきます。WAC 2511のセットアッププログラムを起動すると、「Windows Admin Centerセットアップウィザード」が起動します。

 「ライセンス条項とプライバシーに関する声明」画面では、「これらの条項に同意し、プライバシーに関する声明を理解します」にチェックを入れて進めます。「インストールモードの選択」画面では、「カスタムセットアップ」を選択してセットアップを進めます。

 「ネットワークアクセス」画面では、「リモートアクセス」を選択して外部からWAC 2511にアクセス可能な構成として次へ進めます。

 「ログイン認証/承認の選択」画面では、「HTMLフォームログイン」を選択して次へ進めます。

 「ポート番号」画面では、外部ポートとして「443」が指定された状態で次へ進めます。

 「TLS証明書の選択」画面では、「プレインストールされたTLS証明書を利用する」を選択します。TLS証明書は未指定の状態なので、プルダウンメニューをクリックしてインストール済みのTLS証明書を選択して次へ進めます。

 「完全修飾ドメイン名」画面では、「FQDN名」が正しいことを確認します。

 「信頼されたホスト」画面では、「任意のコンピューターへのアクセスを許可する」を選択します。

 「WinRM over HTTPS」画面では、「HTTP。既定の通信メカニズム。」を選択します。

 「自動更新」画面では、「更新プログラムを自動的にインストールする(おすすめ)」を選択します。「診断データをMicrosoftに送信する」画面では、「必須診断データ」が選択された状態で次へ進めます。

 ここまでのウィザード操作が完了すると、セットアップのサマリーが表示されます。外部ポートが「443」であることが確認できます。

 TLS証明書の指定は、先ほど指定した通りです。

 最後に「インストール」ボタンをクリックしてしばらくすれば、セットアップ完了です。こちらでも外部ポートの指定が「443」であることが確認できます。

 セットアップウィザードで「完了」をクリックすると、セットアップしたホストでブラウザが起動します。WAC 2511をセットアップしたホストとは別のホストから、外部ポートでのアクセスが確認できました。

WAC 2511のセットアップまとめ

 以上の検証結果から、以下の要件であればWAC 2511の「サイレントインストールで、/HTTPSPortNumberと/CertificateThumbprint/Silentのみを指定する」のがよいでしょう。

  • 外部からWAC 2511にアクセス可能な構成とする
  • プレインストールされたTLS証明書を利用する
  • 簡潔にセットアップする

筆者紹介

指崎 則夫(さしざき のりお)

デル・テクノロジーズ株式会社勤務2014年からMicrosoft MVPを連続して受賞


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