欧州製のクラウドオフィススイート「Office EU」が正式にサービス提供開始となった。欧州においてMicrosoftやGoogleのオフィススイートを代替する存在になる。
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欧州製のクラウドオフィススイート「Office EU」(Office.eu)が2026年3月4日(オランダ時間)、オランダのハーグで正式にサービス提供開始となった。Office EUは「Microsoft 365」や「Google Workspace」に代わる選択肢として設計されたオフィススイートで、オランダの企業EUfforic Europe(Office.euのプロジェクト名で展開)が提供する。
米国ベンダーへの依存状態が課題視され、データ主権への関心も高まる中で、欧州のユーザーに向けてサービス展開が拡大していくものとみられる。
Office EUはドキュメント編集、コラボレーション、セキュアなデータストレージを統合し、EU(欧州連合)のデータ保護法令に完全準拠している。提供開始に当たり、過去数カ月にわたって欧州各地の企業によってテストされてきたという。
プロジェクトは2024年に立ち上がり、2026年初頭にOffice.euの事業を開始した。基盤技術の一部には、欧州発のオープンソースのクラウドストレージ「Nextcloud」を採用している。
Office.euのCEO、マールテン・ロエルフス氏は背景について次のように述べている。「米国のクラウド依存から脱却し、欧州の価値観に基づいて構築されたソフトウェアを利用することの重要性が高まっている。長年にわたり欧州は米国のソフトウェアに依存することで、自らのデータに対するコントロールも手放してきた」
ロエルフス氏はサービスの特徴として次の点を挙げている。
Office.euは公式サイトで、「近年の地政学的動向は、欧州における安全で独立したデジタルインフラの戦略的重要性を改めて浮き彫りにしている」とも述べている。
サービスについて、Office.euは欧州内のデータセンターで稼働することや、既存ツールからの移行が可能である点を強調している。欧州外からのコントロールから保護される設計となっており、移行に関してはスムーズなデータ移行のためのツールも提供されるという。
招待制で導入を進めており、2026年第2四半期に欧州全域での展開が予定されている。価格は既存のオフィススイートと同水準だという。
Office.euは今後、欧州全土の個人および中小企業を中心に成長を見込んでいるとしている。
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