AIエージェントがWeb上の情報を直接取得、活用する動きが広がる中、Webサイト側の対応が課題となっている。こうした中、CloudflareがWebサイトのAI対応度を評価するスコアと評価ツールを公開した。4つの次元で採点し、改善に役立つプロンプトも提供するという。
Cloudflareは2026年4月17日(米国時間)、WebサイトのAIエージェント対応度を評価するスコア「Agent Readiness」と評価ツール「isitagentready.com」を発表した。インターネットトラフィック可視化ツール「Cloudflare Radar」にもインターネット上でのエージェント標準の採用状況を追跡する新データセット「Adoption of AI agent standards」を追加した。
Cloudflareは、AIエージェントがWeb上の情報を直接利用するケースが増える中、Webサイト側の対応が新たな課題になっていると指摘した上で「Webは常に新しい標準に適応してきた。Webがブラウザに適応し、その後検索エンジンに適応してきたのと同様に、今はAIエージェントに対応する必要がある」と述べている。
Cloudflare Radarは、上位20万ドメインからリダイレクトや広告サーバ、トンネリングサービスなどエージェント対応度が重要でないカテゴリーを除外し、新ツールでスキャンした。その結果、検索エンジン向けの対応は広く普及している一方で、AIエージェントが情報を理解・利用するための仕組みはほとんど整備されていないことが分かった。
主な結果は次の通り。
このチャートは毎週更新され、「Data Explorer」やRadar APIからもアクセスできる。
Cloudflareが新たに公開したisitagentready.comでは、WebサイトのURLを入力するだけでエージェント対応度をスコア形式で確認できる。このスコアは、AIエージェントがWebサイトをどの程度理解・利用できるかを示す指標であり、スコアは次の4つの観点で算出される。
検査項目ごとに不合格だった場合、コーディングエージェントに渡して対応を実装させるための改修用プロンプトを提供する。
isitagentready.com自体もエージェント対応となっており、自ら模範を示している。ステートレスなMCPサーバを公開し、Streamable HTTP経由で「scan_site」ツールを提供しているため、MCP互換のエージェントであればWebインタフェースを使わずにプログラムからWebサイトをスキャンできる。
「Agent Skills」のインデックスも公開しており、チェック対象となる各標準に対応するスキルドキュメントを提供している。これにより、エージェントは何を修正すべきかだけでなく、どのように修正すべきかも理解できるという。
Discoverabilityは、AIエージェントがWebサイト上のコンテンツやリソースを効率的に見つけられるようにするための仕組みを指す。
こうした評価軸のうち、特にコンテンツの扱いやすさに関わるのがContent(コンテンツアクセシビリティー)の領域だ。Cloudflareはコンテンツアクセシビリティーの標準として「llms.txt」と「Markdownコンテンツネゴシエーション」を挙げる。
llms.txtはサイトのルートに置くプレーンテキストファイルで、サイトの概要と重要コンテンツの所在をLLM(大規模言語モデル)に示す。
Markdownコンテンツネゴシエーションは、エージェントが「Accept: text/markdown」ヘッダを送ると、サーバがHTMLの代わりにクリーンなMarkdownを返す仕組みだ。Markdown形式は不要な装飾がなく、トークン使用量を大幅に削減できる。その結果、応答速度が向上し、コストも低減され、モデルのコンテキストウィンドウの制限内で全文を処理できる可能性が高まる。
Cloudflareは、一部のケースでトークン使用量を最大80%削減できるとする結果も示している。評価ツールではデフォルト(既定)でMarkdown対応のみをチェック対象とし、llms.txtはオプション扱いとなっている。
AIエージェントがWebサイトを巡回・利用できるようになったことで、「どのbotに何を許可するか」という制御が重要になる。robots.txtは、サイトマップの指定だけでなく、どのクローラーにどの範囲のアクセスを許可するのかを定義する基本的な仕組みであり、botが最初に参照する標準的な手段でもある。
Content Signalsを利用することで、単なる許可/拒否を超えて、AIによるコンテンツ利用方法を細かく制御できる。学習への利用(ai-train)、推論入力としての利用(ai-input)、検索結果への表示(search)を個別に指定できる。
「Web Bot Auth」は、bot側が自身を認証し、サイト側がその正当性を検証する仕組みだ。botはHTTPリクエストに署名を付与し、サイトは公開鍵を使ってそれを検証することで、信頼できるbotかどうかを識別できる。全てのサイトに必要なものではないが、エージェント運用サイト向けとして今後ますます重要になると予想される。
プロトコルディスカバリーは、AIエージェントが単にコンテンツを読むだけでなく、サイトの機能(APIやツール)を発見し、直接操作できるようにするための仕組みを指す。
CloudflareはセキュリティリサーチャーやIT開発者向けに提供する「Cloudflare URL Scanner」において、Agent Readinessタブを追加した。既存の診断ツールに統合することで、Webサイトのエージェント対応状況を確認できる。
スキャン時に合格した検査項目、サイトのレベル、スコア改善のためのガイダンスが表示される。URL Scanner APIを通じてプログラムからも利用でき、スキャンリクエストに「agentReadiness」オプションを渡すと結果に含まれる。
Cloudflareは、自社の開発者向けドキュメントをエージェントフレンドリーに改修した。主な取り組みは次の通り。
Cloudflareは、OpenCode経由で「Kimi-k2.5」を利用したベンチマークにおいて、同社のドキュメントは平均31%少ないトークン消費で、他の大手技術ドキュメントサイト平均と比較して66%速く正解にたどり着いたと報告している。
Cloudflareは「Webサイトのエージェント対応化は、現代の開発者ツールキットにとって根本的なアクセシビリティー要件だ」とし、「『人間が読むWeb』から『機械も読むWeb』への移行は、数十年で最大のアーキテクチャ変化だ」と説明している。同社はisitagentready.comで取得したスコアとプロンプトを活用し、エージェント時代に向けたサイト改修を進めるよう呼びかけている。
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