新東京病院は老朽化したネットワークを刷新し、これまで抱えてきた保守費用や運用上の課題を解消した。何をどのように見直したのか。
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千葉県松戸市に拠点を置く新東京病院(運営:医療法人社団誠馨会)は、病床数430床の急性期病院(救急医療や手術、入院による集中的な治療を担う病院)だ。同院では、電子カルテや部門システム、医療機器など、院内のさまざまなシステムやサービスがネットワークを利用している。中でも医療機器は、ほとんどがネットワークにつながった状態で稼働しており、ネットワークが止まると診療ができない状況に陥る可能性がある。
2012年の開設時から新東京病院が利用してきたネットワーク機器は、約14年が経過して老朽化が進んでいた。情報系と電子カルテ系のネットワークが物理的に分かれており、無線LANアクセスポイントを用途ごとに別々に設置しているなど、ネットワーク構成も複雑化していた。従来はネットワーク機器のハードウェア保守に年間1000万円弱を費やしており、10年以上利用した結果、保守費用は累計で1億円以上に上ったという。
新東京病院は24時間稼働しているものの、ネットワーク機器については24時間の監視ができておらず、障害が発生しても現場からの問い合わせがあるまで気付けないことがあった。特に夜間に障害が起きた場合は朝になってから対処せざるを得ず、初動が遅れるリスクを抱えていた。
こうした状況を改善するために、新東京病院は導入以来初となる本格的なネットワーク更改に取り組んだ。24時間365日の監視体制を整えるとともに、障害時の復旧を迅速化し、運用負荷を軽減したという。これらをどのように実現したのかを見ていこう。
新東京病院は病院業務への影響を抑えながら、多岐にわたるネットワーク機器を順次刷新した。刷新の対象は、ネットワークの中核となるコアスイッチや、各フロアの端末を収容するフロアスイッチ、LANケーブル経由で電力を供給できるPoE(Power over Ethernet)スイッチ、同院と関連施設を接続するルーター、無線LANアクセスポイントなどだ。
併せてネットワーク構成も見直し、従来は物理的に分かれていた情報系と電子カルテ系のネットワークを統合した。これにより、同じエリアで情報系と電子カルテ系の双方のシステムが利用しやすくなった。
BCP(事業継続計画)の観点からもネットワークを強化した。従来は医局内でしか利用できなかった医局用の無線LANを、院内の他の場所に移動しても継続して利用できるようにした。ロビーや救急外来の廊下に無線LANアクセスポイントを追加し、災害時に患者がロビーに滞在した場合でも、医療従事者が電子カルテを参照しながら患者対応できるようにした。
運用管理面では、アライドテレシスのネットワーク統合管理アプライアンス「Vista Managerアプライアンス」(AT-VST-APL)シリーズによって、ネットワーク全体の状態を把握しやすくした。同社の運用支援サービス「Net.Monitor」も利用し、障害や異常の兆候を早期に把握できる24時間365日の監視体制を整備した。
機器交換時の復旧力を高める仕組みとして活用しているのが、アライドテレシスのネットワーク統合管理の仕組み「AMF」(Autonomous Management Framework)だ。高額なハードウェア保守契約を継続する代わりに、予備機を待機させ、障害時には機器を交換するだけで自動復旧できる運用にすることで、コストと運用性の両面で合理化を図った。
ネットワーク機器の更改と併せて、ソリトンシステムズのセキュアブラウザ「Soliton SecureBrowser」も導入し、電子カルテ端末から安全に外部のWebサイトにアクセスできるようにした。従来は電子カルテ端末とインターネット接続用端末を使い分けていた、転院先の医療機関との連携業務(後方連携業務)が、電子カルテ端末だけで進めやすくなったという。
医療機関を狙うサイバー攻撃が相次ぐ中、セキュリティの強化も今後の重要なテーマとなる。新東京病院は、不審な通信を検知・分析する技術「NDR」(Network Detection and Response)の検証にも取り組んでおり、ネットワークをより安全に使えるようにする考えだ。ネットワーク機器ベンダーのアライドテレシスが2026年7月7日、本事例を発表した。
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