複数会場のネットワークを短期間で構築し、会期中も安定して運用するには、どのような工夫が必要なのか。人手の負担を抑えて実現した「第30回サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム」の取り組みを見てみよう。
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「サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム」(主催:サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム実行委員会)は、サイバー犯罪および情報セキュリティの課題や対策、連携の在り方を議論する国内有数のシンポジウムだ。警察や行政、大学、民間企業などで、サイバー犯罪や情報セキュリティに携わる関係者が一堂に会する。
2026年5月開催の第30回の会場は、和歌山県白浜町の白浜会館や白浜町立総合体育館、青少年研修センターなど複数に分かれていた。それぞれの会場では、講演や展示、セキュリティ道場、情報危機管理コンテストなどを実施した。
同シンポジウムにおける会場ネットワーク運営を担ってきた、特定非営利活動法人情報セキュリティ研究所(以下、NPO情報セキュリティ研究所)は、これまでは借用したネットワーク機器を自ら設定し、会場ネットワークを構築してきた。事前の手作業によるキッティングが発生するなど、専門知識を持つエンジニアの常駐が必要になりやすいといった負担があったという。
NPO情報セキュリティ研究所をはじめとする運営側は、開催前の限られた準備期間で、各会場の利用目的に応じたネットワークを構築し、会期中も安定して運用しなければならなかった。シンポジウム全体を滞りなく運営するために、トラブルが発生した場合でも迅速に復旧できるようにすることも必要だった。そのため第30回では、会場ネットワークの構築や運用を見直すことにした(図)。
複数会場での安定的かつ効率的な運用を実現するために、運営側は会場ネットワーク全体の構築や運用について、ネットワーク機器ベンダーのアライドテレシスに任せた。同社は、複数会場のネットワークを短期間で確実に整備し、設営時の設定作業を最小限に抑えるために、会期中の状況確認や設定変更まで見据えてネットワークを設計したという。
設置機器には、アライドテレシスの製品/サービスを採用した。具体的には、5GHz帯で最大4.8Gbpsの通信を実現するIEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)準拠の無線LANアクセスポイント「AT-TQ6702 GEN2-R(TQR)」「AT-TQm6702 GEN2」、LANケーブル経由で給電ができるPoE++(Power over Ethernet Plus Plus)機能を備えたスイッチ「AT-x240」シリーズ、SD-WAN(Software Defined Wide Area Network)機能を備えたルーター「AT-ARX200S」シリーズなどだ。
会場ネットワークの構築・運用を効率化するために、アライドテレシスのクラウドサービス形式のネットワーク管理システム「Allied OneConnect」も活用した。Allied OneConnectに事前登録した設定を各機器に自動適用できる「ゼロタッチ」機能を使うことで、現地ではネットワーク機器を設置してLANケーブルを接続するだけで、必要な設定を完了できるようにした。
Allied OneConnectでネットワーク機器の状態確認や設定変更を遠隔からできるようにすることで、現地での専任スタッフの常駐を不要にした。現地での設定やトラブル対処に必要な人員や時間を抑えたことで、会場ネットワークの構築・運用に関わる工数は、従来の想定と比べて約6割削減できたという。
会場施設が提供するインターネット回線には回線容量の制約があった。そのため会場内では無線LANの電波強度を確保したり、用途に応じてネットワークを分けたりといった工夫で、安定した通信を実現したという。アライドテレシスは2026年7月6日、本事例を発表した。
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