26H2初の月例更新で何が変わる? [Copilot]キー再割り当てなど新機能とゼロデイ修正を盛り込んだWindows 11「KB5127648」詳細:Tech News

Microsoftは2026年10月13日(米国時間)、Windows 11向けの月例更新プログラム「KB5127648」の提供を開始した。今月は約1400件という前月を上回る過去最大規模の脆弱性が修正されており、その中には既に悪用が確認されている「Windows Shell」のセキュリティ機能バイパスの脆弱性「Mark of the Web(MotW)回避」が含まれる。また本更新プログラムは、2026年9月29日(米国時間)に一般提供が始まったバージョン26H2に対する初の月例更新であると同時に、バージョン24H2のHome/Proエディションに提供される最後の更新プログラムでもある。本更新プログラムの内容と注意点を解説する。

» 2026年10月14日 05時00分 公開
[小林章彦,デジタルアドバンテージ]

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[Copilot]キー再割り当てなど新機能とゼロデイ修正を盛り込んだWindows 11「KB5127648」詳細 [Copilot]キー再割り当てなど新機能とゼロデイ修正を盛り込んだWindows 11「KB5127648」詳細
Microsoftは2026年10月13日(米国時間)、Windows 11向けの月例更新プログラム「KB5127648」の提供を開始した。今月は約1400件という前月を上回る過去最大規模の脆弱性が修正されており、その中には既に悪用が確認されている「Windows Shell」のセキュリティ機能バイパスの脆弱性「Mark of the Web(MotW)回避」が含まれる。また本更新プログラムは、2026年9月29日(米国時間)に一般提供が始まったバージョン26H2に対する初の月例更新であると同時に、バージョン24H2のHome/Proエディションに提供される最後の更新プログラムでもある。本更新プログラムの内容と注意点を解説する。

 Microsoftは2026年10月13日(米国時間)、Windows 11向けの更新プログラム「KB5127648」をリリースした(Microsoftのサポート「October 13, 2026-KB5127648 (OS Builds 26300.9711, 26200.9711 and 26100.9711)」)。この更新プログラムは、Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)、2025 Update(バージョン25H2)および2026年9月29日(米国時間)に一般提供が始まった2026 Update(バージョン26H2)を対象とした月例のセキュリティ更新プログラムで、これによりOSビルドが「26100.9711(24H2)」「26200.9711(25H2)」「26300.9711(26H2)」に更新される。バージョン26H2にとっては、一般提供開始後初の月例更新プログラムとなる。

 またWindows 11バージョン26H1向けには「KB5127646」が提供され、こちらのOSビルドは「28000.3231」となる。なおバージョン26H1は、Snapdragon X2搭載ノートPCなど向けの特別なバージョンで、バージョン26H2へのアップグレードはできない点に留意したい。

悪用が確認されたゼロデイ脆弱性に注意

 今回の更新では、Windows OSおよびその他のコンポーネントの1400件を超える脆弱(ぜいじゃく)性が修正された(このうち348件はAzureなどのクラウドサービスに関するものが含まれる)。編集部で「Security Update Guide」の「[Vulnerability]タブ」を集計した結果によると、深刻度が「緊急」のものは66件(内訳はリモートコードの実行が53件、特権の昇格が11件、なりすましが2件)に上る。全体の影響の内訳は「特権の昇格」が672件、「リモートコードの実行」が312件、「セキュリティ機能のバイパス」が40件などとなっている。

 前月(約1000件)に続き2カ月連続で月例更新として過去最大規模を更新した形だ。MicrosoftがAI(人工知能)を活用した脆弱性の発見と修正を進めていることが背景にあるとされる。解消される脆弱性の詳細は、Microsoft Security Response Center(MSRC)の「October 2026 Security Updates」を参照されたい。

 なお件数の急増を受けて、MicrosoftはMSRCブログ「Using risk cohorts to prioritize security updates」で、関連する脆弱性を「リスクコホート(risk cohort)」としてグループ化し、適用の優先順位付けに役立てる新たな試みを開始したことも発表している。2026年10月分では「Windowsのファイルシステム/ストレージ/バックアップ」「Officeドキュメントとメールクライアント」など15のコホートが示されている。

 今月特に注意すべきなのは、既に攻撃への悪用が確認されているゼロデイ脆弱性が1件含まれている点だ。

 それは、Windows Shellのセキュリティ機能バイパスの脆弱性「Windows Shell Security Feature Bypass Vulnerability(CVE-2026-96951)」である。これはWindows Shellにおけるコマンド内の特殊要素の不適切な無害化(コマンドインジェクション)に起因するもので、認証されていない攻撃者がネットワーク経由でセキュリティ機能を回避できる。具体的には、インターネットからダウンロードしたファイルに付与される「Mark of the Web(MotW)」による保護を回避できるため、細工されたファイルを開かせることで、SmartScreenや保護ビューなどの警告を表示させることなく攻撃を進められる可能性がある。深刻度は「重要(Important)」で、悪用の手口や発見者については公表されていない。

 この他、修正前に情報が一般公開されていた脆弱性(ゼロデイ)が2件ある。1件目は、.NET Frameworkのセキュリティ機能バイパスの脆弱性「.NET Framework Security Feature Bypass Vulnerability(CVE-2026-108398)」で、深刻度は「重要(Important)」だ。認証された攻撃者が細工した.NETアセンブリをシステムに配置し、保護されたプロセスに読み込ませることで、Windows Defender Application Control(WDAC)の制限を回避してコードを実行できる可能性がある。ユーザーの操作は不要とされ、Google Project ZeroのJames Forshaw氏が発見した。2件目は、MessagePack-CSharpのサービス拒否の脆弱性「MessagePack-CSharp Denial of Service Vulnerability(CVE-2026-92707)」で、深刻度は「警告(Moderate)」である。

 悪用が確認されたCVE-2026-96951は深刻度が「緊急」ではないものの、ファイルを開くという日常的な操作が攻撃の起点となり得ることから、深刻度のみで判断せず、早急な更新プログラムの適用が必要だ。

USBオーディオの既知の問題は一部のみ解消。セキュアブート証明書対策は継続

 2026年9月の更新プログラム「KB5124008」の適用後、一部のUSB Audio Class 1.0対応デバイスが起動に失敗したり(デバイスマネージャーで「このデバイスを開始できません(コード10)」と表示)、音声が出力されなくなったり、音量コントロールが反応しなくなったりする既知の問題が発生していた。この問題は2026年9月14日(米国時間)に提供された定例外(Out-of-band)の更新プログラム「KB5129195」で部分的に解決されたものの、「KB5127648」のサポートページでも引き続き既知の問題として掲載されている。

 具体的には、8チャンネルや3Dオーディオモードを使用するデバイスで発生していた症状はKB5129195で解消されたが、それ以外の症状については解決に向けて作業中とされている。USB Audio Class 1.0のデバイス(比較的古いUSBオーディオインタフェースやUSBヘッドセットなど)を使用している場合は注意したい。

 「KB5127648」においても、セキュアブート証明書の有効期限問題に対する措置が継続されている。多くのWindowsデバイスで使用されているセキュアブート証明書が2026年6月以降、順次有効期限を迎えることから、Microsoftは新しい証明書を段階的に配布してきた。本更新プログラムでも、新しい証明書を自動的に受け取れるデバイスの判定データが更新され、Windows Update経由での配布が継続されている。

 なおMicrosoftは、新しい証明書を受け取っていないデバイスについても、引き続き起動および通常の動作が可能で、標準的なWindows Updateも継続してインストールされると説明している。ただし一部のPCでは、セキュアブート証明書の更新によって予期せずBitLockerの回復モードに入ってしまう問題が発生していたいきさつがある。万一に備えて、適用前にはMicrosoftアカウントにサインインしてBitLockerの回復キーを確認し、バックアップしておくべきである(BitLockerの回復キーの確認方法は、Tech TIPS「BitLockerの回復キーが分からない場合の確認方法【Windows 10/11】」参照のこと)。

 セキュアブート証明書の有効期限切れについては、Tech TIPS「【最終案内】2026年6月にWindows 11が起動不能に? 『セキュアブート証明書』の期限切れリスクと対策、起動しなくなった場合の対応策」を参照してほしい。

Windows 11 24H2 Home/Proは本更新が最後。26H2へのアップグレードを

 今回のサポートページでは、Windows 11バージョン24H2のHomeおよびProエディションが2026年10月13日に更新プログラムの提供を終了したことが告知されている。本更新プログラム「KB5127648」が、これらのエディションに提供される最後の月例セキュリティ更新プログラムとなる。今後は既知の問題の修正やタイムゾーンの更新、テクニカルサポート、最新の脅威への保護を含む月例のセキュリティ更新プログラムおよびプレビュー更新プログラムが提供されなくなる。なお2026年9月22日(米国時間)に提供されたプレビュー更新「KB5124010」が、バージョン24H2向けの最後のプレビュー更新だったことも明らかにされている。一方、EnterpriseおよびEducationエディションは2027年10月12日までサポートが継続される。

 Home/Proエディションで24H2を利用している場合は、最新のバージョン26H2へ速やかにアップグレードしたい。バージョン26H2は、24H2/25H2と同じサービスブランチを共有する「イネーブルメントパッケージ(eKB)」として提供されるため、更新プログラムが適用済みであれば短時間でアップグレードできる。アップグレードにより、Home/Proエディションのサポート期限は2028年10月9日(米国時間)まで延長される。

 またWindows 11バージョン23H2のEnterprise/Educationエディションも2026年11月10日(米国時間)のサポート終了が迫っている。該当する組織は、これも併せて移行を進める必要がある。

前月のプレビュー更新で先行提供された新機能を正式展開

 「KB5127648」の更新プログラムには、2026年9月22日(米国時間)に提供されたオプションのプレビューリリース「KB5124010」および9月14日の定例外更新「KB5129195」による修正と品質改善が含まれている。

【既知の問題の修正】サインイン後に黒い画面が表示される不具合を解消

 Azure Virtual DesktopやFSLogixを利用する多ユーザー環境において、サインイン後にExplorer.exeが起動しない、または繰り返しクラッシュして画面が黒いままになる問題が修正された。2026年8月のプレビュー更新「KB5120998」以降で発生していた既知の問題で、これまでは既知の問題のロールバック(KIR)による緩和策が案内されていた。

【既知の問題の修正】AC-3オーディオを使用するアプリが終了する不具合を解消

 AC-3(Dolby Digital)のオーディオデコードを使用する一部のアプリケーション(主にWindows標準のデコーダーに依存するレガシーアプリ)が起動に失敗したり、予期せず終了したりする問題が修正された。「KB5124010」の既知の問題として挙げられていたものだ。

その他の修正

 この他、「KB5124008」の適用後にAlways On VPNの接続が「接続中」のまま進まない、または「指定されたポートは既に使用されています」というエラーで失敗する問題、階層化されたStorage Spaces Directの仮想ディスクがオンラインにならない問題、2026年8月のセキュリティ更新プログラムの適用後にRAWまたはGeneric Text Onlyプリンタドライバを使用するデバイスで印刷が失敗する問題、一部のゲームでマウス入力がカクつく問題、一部のデバイスでコールドブート後にWindows Helloの指紋サインインが機能しない問題などが修正されている。

 また、カナダのマニトバ州が2026年11月1日から時間帯を変更することに伴い、新しいタイムゾーン「(UTC-05:00) Manitoba」が追加された。さらに、外付けストレージデバイス上のReFSボリュームに対する監査機能とオプションのポリシー制御が追加されている。監査は既定で有効、強制は既定で無効となっており、将来のセキュリティ強化に向けて管理者が評価・準備する期間が設けられている(詳細は「KB5130741」参照)。

更新プログラムによる機能追加

 今回の更新プログラムで導入された主要な新機能は以下の通りだ。いずれも2026年9月22日(米国時間)に提供されたプレビュー更新「KB5124010」で先行提供されていたもので、段階的なロールアウトで有効化される。

高精度タッチパッドのジェスチャーを強化

 高精度タッチパッド向けに、タッチパッドの左端または右端から1本指で上下にスクロールする「1本指スクロール」と、スクロール中に指をタッチパッドの端に近づけることで指を離さずにスクロールを続けられる「自動スクロール」の2つのジェスチャー設定が追加された。「設定」アプリの「Bluetoothとデバイス」−「タッチパッド」画面で設定できる。長いWebページやドキュメントのナビゲーションに便利だ。

アプリを開いた際に自動的に最大化する設定を追加

 アクセシビリティ設定として、アプリを開いた際にウィンドウを自動的に最大化する「アプリを最大化して開く」オプションが追加された。「設定」アプリの「アクセシビリティ」−「視覚効果」画面で有効化できる。スクリーンリーダーや拡大鏡を使用する場合、タブレットモードで作業する場合などに有用である。

アプリを開いた際に自動的に最大化する設定を追加 アプリを開いた際に自動的に最大化する設定を追加
「設定」アプリの「アクセシビリティ」−「視覚効果」画面にある「アプリを最大化して開く」を「オン」にすると、ウィンドウを自動的に最大化した状態でアプリを開くようになる。

エクスプローラーのプレビュー機能を向上

 エクスプローラーのプレビューウィンドウにおいて、Webからダウンロードしたファイルの扱いが変更された。「2026年9月22日 - KB5124010 (OSビルド 26300.9550、26200.9550、26100.9550) プレビュー」によれば、HTMLファイルについては、警告を確認した上でプレビューを表示する[とにかくプレビュー]ボタンが追加され、PDFファイルなどHTML以外のファイルは自動的にプレビューされるようになったということだ(従来のエクスプローラーではHTMLやPDFのプレビューに対応していなかった)。ただ、編集部で試したところ、HTMLファイルについては、テキストのみを表示し、画像がブロックされて表示されるようになっていた(一度、HTMLを開いてからプレビューしても同様)。

エクスプローラーのプレビュー機能を強化 エクスプローラーのプレビュー機能を強化
セキュリティの点でPDFやHTMLのプレビューはサポートを取りやめていたが、今回の更新プログラムで有効化された。HTMLは、サポートページによると[とにかくプレビュー]ボタンをクリックするとプレビューが表示されるとされているが、編集部で試したところテキスト部分のみが表示された。

 またエクスプローラーの「ホーム」で各セクションの展開/折りたたみ状態が保持されるようになった他、詳細ウィンドウにおけるクラウドファイルのサムネイル表示の信頼性向上とファイルプロパティの再編成、アドレスバーの右端付近をクリックした際に内容が消えてしまう問題の修正も行われている。

[Copilot]キーを[右Ctrl]キーなどに割り当て直す設定を追加

 [Copilot]キーを搭載するデバイスにおいて、[Copilot]キーを[右Ctrl]キーや「コンテキストメニュー」キーなどとして機能するように割り当て直す設定が追加された。従来の[右Ctrl]キーの位置に[Copilot]キーが配置されたキーボードで、使い慣れたショートカットやアクセシビリティのワークフローを維持できるようになる。

[Copilot]キーを[右Ctrl]キーなどに割り当て可能に [Copilot]キーを[右Ctrl]キーなどに割り当て可能に
「設定」アプリの「Bluetoothとデバイス」−「キーボード」画面で[Copilot]キーを[右Ctrl]キーや[コンテキストメニュー]キーなどに割り当て可能となった。[Copilot]キーを利用していない場合は、割り当てを変更するとアクセシビリティが向上できるだろう。

その他の新機能

 この他、「Emoji 17.0」への対応([Windows]+[.]キーの絵文字パネルから入力可能)、Windows OSの機能に関する簡単なヒントを表示する「ヒント」ウィジェットの追加、拡大鏡ツールバーのデザイン刷新、OneDriveによる写真のバックアップをQRコードを使ってスマートフォンで設定する「カメラロールのバックアップ」の[設定]メニューへの追加(対象デバイスと市場は限定されている)、「Ebrima」フォントにおけるGaray文字とBeria Erfe文字のサポートなどが含まれる。

 一方、新しいPCのセットアップ時に以前のPCからファイルと設定を直接転送する「PC間移行(PC-to-PC Migration)」機能は提供終了となった。新しいPCへの移行には「Windowsバックアップ」を使用するよう案内されている。

AIコンポーネントの更新

 AIコンポーネントのバージョンは前月と同じ「1.2608.951.0」(画像検索、コンテンツ抽出、意味解析、設定モデル)のままで、今月は更新されていない。なおサービススタック更新プログラム(SSU)として「KB5127647(ビルド26100.9703)」が含まれる。

バージョン26H2の一般提供が開始、26H1は27H2待ち

 Microsoftは2026年9月29日(米国時間)、次期機能更新プログラムとなるWindows 11バージョン26H2(OSビルド26300.9550)の一般提供を開始している(26H2については、Windows 11 Trends「Windows 11 26H2で何が変わる? サポート期限から既知の不具合、WMIC削除まで総まとめ」参照のこと)。段階的なロールアウトで提供されており、Windows Updateの「最新の更新プログラムを入手する」を「オン」にしていれば、準備ができ次第「ダウンロードしてインストール」が表示される。前述の通り、Home/Proの24H2はサポートが終了したため、該当ユーザーは速やかなアップグレードを検討したい。

 一方、Snapdragon X2搭載PCなど向けのバージョン26H1は、より新しいプラットフォームをベースとしているため26H2へはアップグレードできず、2027年後半に提供予定のバージョン27H2を待つことになるとみられる。

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