任天堂でもGoogleでもトヨタでもない、“すご腕プログラマー”の就職人気企業トップは?:知名度だけじゃない競技プログラマーの就職先選び

AtCoder社は競技プログラマーを対象に、就職したい企業やその理由を調査した。優秀なプログラマーが働きたい企業はどこなのか。就職先を選ぶ際に重視する条件とは。

» 2026年10月20日 11時00分 公開
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 制限時間内にプログラミングの課題を解き、得点や提出時間で順位を競う競技である「競技プログラミング」。その参加者である競技プログラマーは、どのような企業で働きたいと考えているのか。その実態を明らかにするための調査を、競技プログラミングのコンテストを開催するサイト「AtCoder」を運営するAtCoder社が実施している。

 AtCoder社は2026年9月30日、その2026年版である「AtCoder 競技プログラマー就職企業人気ランキング2026」の結果を発表した。AtCoderのコンテストへの参加用IDを持つ競技プログラマーを対象に、就職を希望する企業やその選定理由、働きたい業種・職種を尋ねた調査だ。

“すご腕プログラマー”が就職したい企業のナンバーワンは?

 競技プログラマーが就職先に選びたい企業はどこであり、その決め手は何なのか。特にAtCoderのコンテストで優秀な成績を収めた“すご腕”の競技プログラマーは、どのような企業を志望しているのか。調査結果から探る。

 就職を希望する企業として、学生競技プログラマーから最も多くの票を集めたのは、任天堂だった(図1)。2021年や2023年、2024年、2025年の調査で首位だったGoogleに代わり、調査開始以来、初めて首位が入れ替わった(2022年は調査未実施)。前回の2025年調査では、1位のGoogleと任天堂の得票差は1票だった。今回の2026年調査の2位はGoogle、3位はALGO ARTISだった。

画像 図1 学生および社会人競技プログラマーの就職企業人気ランキング(出典:AtCoderのプレスリリース)《クリックで拡大》

 ALGO ARTISは、火力発電所の燃料運用計画や化学プラントの生産計画など、複雑な条件を踏まえた計画をAIで自動立案するサービスを手掛ける。2021年7月にディー・エヌ・エー(DeNA)からスピンオフした。

 社会人競技プログラマーの就職企業人気ランキングの1位はGoogleで、5回連続の首位となった。2位はALGO ARTIS、3位は商業用不動産のデータ分析サービスを手掛けるestieと、トヨタ自動車が並んだ。7位にAnthropic、12位にOpenAIと、生成AI関連企業も上位に入った。この2社は、2025年調査では社会人からの得票がなかった。

 AtCoder社は、競技プログラマーの「レーティング」別の就職企業人気ランキングも発表した。レーティングは、AtCoderのコンテストでの成績に基づいて競技プログラマーの実力を示す指標で、学生・社会人を問わず共通の基準となる。同社はレーティングに応じて参加者を8段階のランクに分けており、レーティング「1600」以上が上位4段階に当たる。

 レーティング1600以上の学生競技プログラマーの就職企業人気ランキングでは、ALGO ARTISが2025年調査に続いて1位となった(図2)。つまりAtCoderのコンテストで高い成績を収めた学生競技プログラマーの間で、就職希望先としてALGO ARTISが最も多くの票を集めたということだ。

画像 図2 学生競技プログラマーの就職企業人気ランキング(レーティング別)(出典:AtCoderのプレスリリース)《クリックで拡大》

 社会人競技プログラマーでは、レーティング1600以上の就職企業人気ランキングでGoogleとALGO ARTISが同率1位となった(図3)。3位には、企業向けのAI開発や導入支援を手掛けるPolaris.AIが入った。

画像 図3 社会人競技プログラマーの就職企業人気ランキング(レーティング別)(出典:AtCoderのプレスリリース)《クリックで拡大》

給与か成長機会か? 競技プログラマーが企業選びで重視する条件

 就職を希望する企業について選定理由を聞くと、学生競技プログラマーは「成長できる環境である」、社会人競技プログラマーは「給与や賞与が高い」が1位だった。学生・社会人競技プログラマー共に、この2つと「優秀な先輩(エンジニア)がいる」「福利厚生制度が充実している」が、2025年調査と同様に上位4項目を占めた。社会人競技プログラマーでは、2025年調査と同様に「従業員の人間関係が良い」が5位に入った。

 レーティング別に見ると、学生・社会人競技プログラマー共に、レーティングが高いほど「既に競技プログラマーが入社している」「競技プログラマー内で著名な企業である」を企業選びの理由として重視していた。

 働きたい業種は、学生・社会人競技プログラマー共に、3年連続で「ソフトウェア」「インターネット」「電子・電気機器」が上位3位に入った。働きたい職種は、学生・社会人競技プログラマー共に、2025年調査と同様にシステムエンジニア、ソフトウェアエンジニア、研究職が上位3位を占めた。1位は、学生競技プログラマーがシステムエンジニア、社会人競技プログラマーがソフトウェアエンジニアだった。

 今回の調査は、AtCoder社が2026年8月、初心者向けの競技プログラミングコンテスト「AtCoder Beginner Contest 471」の参加登録時に実施し、競技プログラマー972人(学生676人、社会人266人、その他30人)から有効回答を得た。就職企業人気ランキングには、AtCoder社を除き、得票数が2票以上の企業を掲載している。

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