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第19回 NetBIOS over TCP/IPプロトコル(その2)基礎から学ぶWindowsネットワーク(1/4 ページ)

コンピュータが見えない、アクセスできないなど、ネットワーク・トラブルの多くが名前解決に起因している。そのしくみを理解しよう。

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連載 基礎から学ぶWindowsネットワーク ―― Windowsネットワーク管理者への道 ―― 
Windows Server Insider

 

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 前回はNetBIOS over TCP/IP(以下NBT)の概略とパケットの構造について解説した。今回は、実際のWindowsマシンが送受信するNBTパケットの例を取り上げ、どのようなパケットがやりとりされているかを見てみよう。ネットワーク・プロトコルを理解するには、プロトコルの仕様を理解するのも大事だが、実際のネットワーク・パケットをキャプチャして解析することも大事である。仕様書だけでは分かりづらいネットワーク・パケットがどのように利用されているのかが分かるし、また仕様には記述されていないようなネットワーク・プロトコルの実装パラメータなど(例えばリトライの間隔や回数など)も知ることができるだろう。このような知識は、ネットワークのトラブルシューティングなどにも大いに役立てることができる。

 Windowsネットワークにおいて、NBTプロトコルが利用される場面は数多くあるが、その動作が理解しやすい例として、システムの起動時におけるNetBIOSマシン名の登録と、名前の検索、そしてシステムの終了時における名前の解放などを見てみる。これらはいずれも1回パケットが往復する程度の、非常にシンプルなプロトコルである。ネットワークへのログオンや共有リソースへのアクセスなどについては、上位プロトコル(SMBプロトコル)についての理解が必要になるので、次回以降で解説する。

 NBTプロトコルの基本的な動作は、すでに前回述べたように、NetBEUIの機能をそのままTCP/IP上へ移植したものであり、いままでのNetBEUIと機能的には大きな違いはない。唯一違うのは、TCP/IPという、ルーティング可能で、スケーラブルなプロトコル上に実装されたことで、単一のネットワークだけではない、より大きなネットワーク上でも利用できるようになったということである。NetBEUIではローカルのネットワーク上でのみ利用可能であったが、NBTならば、ネットワークを越えて広くNetBIOSサービスを提供することができる。またTCP/IPという、現在主流のプロトコルの上に実装されているため、ルータやファイアウォールといった既存の資産だけでなく、ネットワーク管理のためのノウハウなども活用することができる。


NBT環境における名前解決プロトコルの例
NBT環境では、名前解決の手段として、ローカル・ネットワークへのブロードキャストだけでなく、WINSサーバへ問い合わせるという方法がある。また、hosts(やlmhosts)ファイル、DNSサーバといった、TCP/IPで一般的な名前解決手段も組み合わせて利用することができる。これにより、複数のネットワークをまたがった巨大なWindowsネットワーク環境を構築することができる。


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