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第18回 NetBIOS over TCP/IPプロトコル(その1)基礎から学ぶWindowsネットワーク(1/3 ページ)

今日、最適なWindowsネットを設計し、問題に対処するには、NetBIOS over TCP/IP(NBT)の知識が欠かせない。

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連載 基礎から学ぶWindowsネットワーク ―― Windowsネットワーク管理者への道 ―― 
Windows Server Insider

 

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 前回NetBIOSサービスでよく使われている(正確には、昔はよく使われていた)NetBEUI(NetBIOS Extended User Interface)というプロトコルと、それを支えるLLCというプロトコルについて解説した。だがNetBEUIは、ルーティングなどを駆使した大規模ネットワークに向かないし、ブロードキャストを多用するので、ネットワークが飽和しやすいという欠点がある。そこで、より広く普及しているTCP/IPネットワーク上でも利用できるように、NBT(NetBIOS over TCP/IP)というプロトコルが開発された。

 すでに何度も述べているように、NetBIOSはプロトコルではなく、一種のサービス(API)である。そのため、同じサービスを(同じ使用法を)維持できるならば、NetBIOSの下位にあるプロトコルは問わない。実際、NetBEUI上のNetBIOSだけでなく、IPX/SPX上のNetBIOSも存在するし、現在ではTCP/IP上のNetBIOSが広く使われている。またWindows XPやWindows Server 2003では、NetBEUIは(標準的な方法では)インストールすることもできないようになっている。

 今回と次回の2回では、NBTについて解説する。NetBIOSサービスは、ファイル共有サービスを始めとしてWindows上では広く使われているサービスである。NetBIOSのサービスをNetBEUIではなくTCP/IP上に実装することにより、TCP/IPの機能や柔軟性を生かしたまま、従来からのWindows OSのサービスをそのまま利用することができる。管理者にとっては、ネットワーク・プロトコルをTCP/IPだけに限定することができるので、無用なトラブルを避けることにもなり、そのメリットは大きい。


Windowsネットワークにおけるパケットの構造
NetBEUIもNBTも、どちらもNetBIOSサービスを実現するためのプロトコルであるが、そのパケット構造には大きな違いがある。この図では同じように見えるが、NBTでは、サービスのタイプに合わせて、まったく異なる構造のパケットを採用している。NetBEUIプロトコルだけをインストールしたコンピュータと、NBTプロトコルだけをインストールしたコンピュータはお互いに通信することはできない。


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