思考の癖を把握して効果的に評価する(後編):ITエンジニアのチームリーダーシップ実践講座(7)(4/4 ページ)
用語の定義にこだわる人は正確な事実を知りたがり、設計書の目次に注目する人はコンセプトを大切にする―― メンバーの思考の癖を把握して、効果的に評価する方法を伝授しよう
タイプに合わせて褒める
誰でも褒められるとうれしいものです。「豚もおだてりゃ木に登る」のことわざ通り、うれしくなるといつも以上の力が発揮できます。相手のタイプを考慮して褒めることで、モチベーションをいっそう高められます。
※ただし、褒められると照れる傾向の強い人は、そのうれしい気持ちを素直に表現できない場合があります。
HBDIタイプ分けでの褒め方のポイント
Aタイプには、できるだけ具体的に、どこがどう良いのかを指摘する必要があります。漠然と褒めても、お世辞にしか聞こえず、そっぽを向かれてしまいかねません。
Bタイプは、地道な仕事をこつこつやるタイプなので、表立って人から褒められることに慣れていない場合があります。そのときは、人前でむやみやたらに褒めると反発して、かえってマイナスになりかねません。きちんと場を設定し、まじめに伝えられる状況を選んで褒めるとよいでしょう。
また、直接本人を褒めると照れて嫌がることでも、「あなたの下で仕事をしている人、○○がよくできたね」「あなたが担当する○○システム、順調に稼働しているね」と間接的に褒めると、素直に受け取ってくれるし、あなたの思いも伝わります。
Cタイプは、周囲との調和を大切にするタイプなので、本人だけを褒めると、かえって反発されてしまいます。本人だけでなく、一緒に仕事をしているメンバーも含めて褒める方が、素直に受け入れてもらえます。
Dタイプは、人と違うユニークさを重要視するタイプなので、一律に褒めると、かえって不満に感じたりするものです。相手が全体に対してどの部分で貢献したか、どんな場面で際立っていたのかを強く打ち出して褒めると、「認められた」と実感を持ってくれます。
思考の癖を活用した評価や褒め方、いかがでしたか? 次回(2014年2月掲載)は、ファシリテーションスキルを説明いたします。
筆者プロフィール
上村有子
エディフィストラーニング インストラクター。外資SIer、証券会社を経て2000年に野村総合研究所入社。現在、情報化戦略、コンプライアンス、ビジネスコミュニケーション領域のコース開発、講師。専門分野はBA(ビジネスアナリシス)、コミュニケーション。
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