ネットワークデバイス(ルーター、スイッチ、ブリッジ、ハブなど)の目的と機能 基礎の基礎:CCENT/CCNA 試験対策 2014年版(3)(2/2 ページ)
CCENT取得を約束させられた新米ネットワークエンジニア。今週の学習の成果は? そして先輩(炭水化物好き)の評価は?
前回分の宿題
前回のリポート添削では以下の宿題が出されました。それについても調べましたので、ご確認ください。
- TCP/IPモデルとOSI参照モデルに、関係性はないのでしょうか?
- 受領確認(Ack)の仕組みだけではなく、TCPプロトコルではウィンドウサイズも使用しているはずです。
- FTPは他のプロトコルとは違い、なぜ二つのポート番号を使用するのでしょうか?
- DNSプロトコルの役割である「名前解決」とは、どういう役割なのでしょうか?
- 「POP3」と「IMAP4」、電子メールの受信と閲覧とありますが、どのような違いがあるのでしょうか。メールデータの保管場所に着目した点はOKなので、もっと具体的に書きましょう。
Q. TCP/IPモデルとOSI参照モデルの関係性は?
A. TCP/IPモデルは「プロトコルを階層構造で整理したもの」、OSI参照モデルは「ネットワーク通信の機能を細かく分割して、階層構造で整理したもの」と言えます。全く無関係なのかというとそうとは言い切れません。役割や機能といった内容のときにはOSI参照モデル、その機能を実現するために使用するプロトコルの話のときは直接プロトコル名を使って説明しているもようです。
Q. TCPプロトコルのウィンドウサイズとは?
A. ウィンドウサイズとは、一度に送信できるデータ量(単位:byte)です。回線の使用効率を上げるために、ウィンドウサイズ分のデータを一度にまとめて送るようにしています。送ったデータ量に対するAckが相手から返らない場合に、データを再送します。ウィンドウサイズはその値を適宜変化させながらデータのやりとりを行っています。また、TCPの初期規格のままでは現在のデータ量に対応しきれないため、「ウィンドウスケールオプション」というものでウィンドウサイズをn倍に拡張する、という対応が取られています。
Q. FTPはなぜ2つのポート番号を使用するのか?
A. FTP(21)は通信相手とのユーザー認証などの制御に使用しています。FTP-DATA(20)が実際にファイルを転送するために使用されるポートです。
Q. 「名前解決」とは、どういう役割なのか?
A. 人間が理解しやすいドメイン名(厳密にはFQDN)と、コンピューターが理解しやすいIPアドレスを相互に参照できる仕組みのことを指します。FQDNに対応するIPアドレスを参照する向きを「正引き」、IPアドレスからFQDNを参照する向きを「逆引き」と呼びます。
Q. 「POP3」と「IMAP4」の違いは?
A. どちらも自分宛に届いた電子メールを読めますが、メールデータを保存する場所が異なります。POP3はメール受信用のソフトウェアが起動しているPCのHDDに、IMAP4はメールデータはメールサーバと呼ばれる機器に保存され、ローカルのHDDには保存されません。
- ネットワークのトラブルシューティング――レイヤー3演習問題編
- ネットワークのトラブルシューティング――レイヤー3編
- ネットワークのトラブルシューティング――レイヤー2編
- ネットワークのトラブルシューティング――レイヤー1編
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- ネットワークデバイスのセキュリティ設定
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- 「NAT」の仕組みとルーターへの設定方法
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- 標準ACL、拡張ACL、番号付きACL、名前付きACL――ACLの基礎知識と分類方法
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- OSPFv3とOSPFv2の違い、そして設定コマンド
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- リンクステート型ルーティングプロトコル「OSPF」
- ディスタンスベクター型のルーティングプロトコル「IGRP」と「EIGRP」
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- 所定のルーティング要件に対応するスタティックルート(静的ルート)またはデフォルトルートの、ルーティング設定と確認
- コマンドを使用したルーターの設定とネットワーク接続の確認
- 複数のルーティング手法とルーティングプロトコルの比較
- ルーター設定を行うためのCLIの設定と活用方法
- アクセスポートとトランクポート
- VLANで論理的に独立したネットワークを作成する
- ストア&フォワード方式、カットスルー方式、CAMテーブル
- コリジョンドメインとブロードキャストドメイン
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- デュアルスタック、トンネリング、NAT――IPv6とIPv4の共存方法
- ぶいろく? ぶいしっくす?――初心者でも分かる「IPv6」の基礎
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- 超入門 ネットワークケーブルの種類と配線方式の違い
- ネットワークデバイス(ルーター、スイッチ、ブリッジ、ハブなど)の目的と機能 基礎の基礎
- 新人ネットワークエンジニアがまとめたTCP/IPプロトコルスタックとOSI参照モデルの基礎知識
- CCENT/CCNA取得を目指す皆さんへ
筆者プロフィール 齋藤貴幸
ドヴァ ICTソリューション統轄本部 デベロップメント&オペレーショングループ 2部
情報系専門学校の教員を12年勤めた後に同社へ入社、エンジニアへ転向。沖縄県と首都圏を中心にネットワーク構築業務に携わる。また、シスコ・ネットワーキングアカデミー認定インストラクタートレーナーとして、アカデミー参加校のインストラクターを指導している。炭水化物をこよなく愛する男。
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